茨城県出身としては、結城紬の一つも持っていたいと考えたのは、随分前になるが、茨城県自然博物館の企画展を見てからだ。大島に次ぐくらいの価値の高い紬としてそれなりに有名な結城紬なのだが、実際手に取ったことも、どんなものなのかについてもよく知らなかった。
でまあ、その結城紬の企画展で知った、世界でも類を見ない特徴があった。それが、絹糸を紡ぐ際に縒らない、ということだった。へぇ、縒らない糸ってあるんだ、と思いながら、そんな珍しい特徴があるのであれば、一つ持っておきたいモノだと考えたのだ。
縒らない糸で紡いだ結城紬の特徴は、軽く温かいということ。糸を縒らないので、空気を含む量が多く、糸の密度も小さいので軽い。
まあそんな特徴を持っている結城紬を一着持っておきたいと考えたのだが、着物はそんなに着ないし、どうしたものかと考えて、春物コート的なものなら良いかな、と思いながら、紬を調達するのもよくわかんないし、仕立てるにもツテがない。
と思ってそんなことを着物マスターのMさんに相談してみたところ、反物を安く手に入れられるお店とか、仕立てお願い出来る人とか知り合いを紹介(実はオレも知り合いだったりするんだけど、なかなかそういうのをお願い出来るほど気安さはなかった)してくれたりして、トントンと話が進んだのだ。
そんなわけで、仙北の某ショッピングセンターで結城紬の証紙(真性結城紬ですよっていう証明書)付きで、色柄もなかなか面白い反物を見つけた。
で、ついに今日、K先生のお宅にお邪魔して、仕立てをお願いする運びとなったわけだ。
満開の桜の中、初のお仕立てで心はウキウキである。
そんな帰り道、Mさんから宮古の某スナックのおやじが日本刀で腕を切り落とされている話なんぞを聞く。日本刀で腕を!
宮古すげえな。
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