あるひのあひる

sometimes"♯",sometimes"♭" ,and always"NATURAL”
猫とハーブと酒と音楽

ツナグ

2012-10-17 23:07:52 | 映画・演劇・ミュージカル

Images_2初めて予告編を見た時、なぜかハッとして
ずっと気になっていた映画。

今日、友人Yちゃんと観に行ってきました。

良かったです。とっても。
桃李くんはもちろん、樹木希林さんが本当に素晴らしかった。
そして、劇中に出てきた『最上のわざ』。
とても深く心に響き、染み入りました。


生と死というテーマを取り扱っているのに、薄っぺらなお涙頂戴ストーリーではなく
寧ろ、どこか客観的に、淡々と、それぞれの人生をリアルに描き出していて
それは、時に激しく、或いは静かで、愛おしく、切なく、哀しく、そして限りなく優しい。

目には見えないけれど、確かに存在する強い絆。
そして、人が人を思う気持ちによって、支えられ、立ち直ってゆく再生の物語。
そんな風に感じました。

特に私の心をゆさぶった、劇中の詩『最上のわざ』。
実は原作にも脚本にも登場せず、樹木さんのアイディアで挿入されたものだそうです。
その言葉の深みが、どれほど大きな効果を与えているか。
樹木さんの凄さ、改めて実感しました。


近いうちに、原作も読んでみようと思っています。

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)
価格:¥ 662(税込)
発売日:2012-08-27

最後に、『最上のわざ』を。

「最上のわざ」 作者:ヘルマン・ホイヴェルス

この世の最上のわざは何か

楽しい心で年をとり
働きたいけれども休み
しゃべりたいけれども黙り
失望しそうな時に希望し
従順におのれの十字架をになう

若者が元気いっぱいで
神の道を歩むのを見てねたまず
人のために働くよりも
謙遜に人の世話になり
弱ってもはや人の為に役にたたずとも
親切で柔和であること

老いの重荷は神の賜物
古びた心で最後の磨きをかける
真のふるさとへ行くために
おのれをこの世につなぐくさりを
すこしずつはずしていくのは
まことにえらい仕事
こうして何も出来なくなれば
それを謙遜に承諾するのだ

神は最後に一番良い仕事を
残してくださる
それは祈りだ
手は何も出来ないけれど
最後まで合掌できる
愛の恵みを求めるために
すべてをなし終えたら
臨終の床に神の声を聞くだろう
来よ わが友よ 汝を見捨てじと
 
コメント (2)
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