なつかしきお寺となりて沙羅の花 阿部みどり女
私ども天王寺の夏ツバキの花が見頃になりました。小さな白花を咲かせ、樹形が美しいことから、玄関などに植栽されることが多いようです。別名沙羅(シャラ)ともいわれるのは、平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹(サラソウジュ)の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」で有名な仏教の聖樹沙羅双樹に擬せられたからといわれます。
山ツツジが一本だけで杉と竹藪の境内が今のようになったのは、多くの檀信徒の皆さんのご協力があったからです。とくに、立川浩さんにはお世話になりました。92歳になられた今も立川さんはお元気ですが。図面を私が引いて、二人して二段の異石を積んだ日のことが忘れられません。とくに沙羅とも呼ばれる夏ツバキは、住職になりたての私と立川さんが植えた花です。可憐な白い花を愛でていますと、30年前のことが思い出されてなりません。
合掌
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