Part1つづき
昼食を終え、12:15そそくさと子三瓶山を後にした。山の神はこの時点で、孫三瓶山へ行って、引き返すことを考えていたようだ。でもここまで来て女三瓶山をカットしたら絶対後悔しそうだなと感じていた。
左:孫三瓶山山頂 右:ミツバツツジがところどころで咲いていた
私が孫三瓶山で山の神に先を促すと、ん~行ってもいいよという。明らかに乗り気ではない。しかし孫三瓶山を下っていくと、歩きやすい快適な道になり、がぜん登高意欲が増してくる。まばらな新緑の中にアクセントカラーになるミツバツツジが咲いていたのも励ましになる。
撮影のために立ち止まることもなく、疲れた脚に鞭打って必死に進むと、ベンチが置かれた大平山(たいへいざん)が現れた。こんな山が女三瓶山の途中にあるのかと地図を引っ張り出す。子三瓶山から休憩なしで、すでに連続歩行時間は1時間を超え息も絶え絶え。空いたベンチにどっかりと腰を下ろし休憩にした。
左:大平山の標柱 右:ベンチの置かれた大平山から女三瓶山を望む
13:32もうひと登りだと大平山のベンチから山の神とともに腰を上げる。すぐそこに女三瓶山山頂の電波塔が見えている。いったん大平山を下ったコルに出ると、左手にさびれた展望台(下のほうに写真)があった。おばちゃんたちのパーティがぞろぞろとそこから引き返してきたのだが、われわれはパス。この展望台は、リフトで上がってきた観光客のためにつくられたようだ。
左:女三瓶山山頂の標柱 右:山頂には展望を楽しめるデッキも
比較的整備された道を上がっていくと、まもなく女三瓶山の山頂に到着した。電波塔という人工物がある分、味気ない山頂ではあるが、見晴らしはいい。ただどんよりとした雲が空を覆っていた。
14:05女三瓶山から下り始める。途中男三瓶山への縦走路入口があって、そこにはロープが張られ通行止めとなっていた。ここまでは役所の人も簡単に登って来られるからなのか。男三瓶山では通行止めとはなっていなかった(Part1参照)。
左:女三瓶山直下の展望台 右:室内(むろのうち)池
それはさておき、先ほどのコルに戻り、展望台横の室内(むろのうち)へ下っていく道に入る。しかし山の神がこの道で帰れるのかと「?」を頭上に浮かべながら後からついてくる。まもなく下から夫婦が上がってきた。すかさず山の神が話しかける。どちらから? 返答に深くうなずく。この道で間違いない。
しばらく下り続け、まだ下るのかと、やがて訪れる登り返しに恐怖を感じるほど下った。カルデラ地形の底までたどりつき横移動していくと、今度は口笛を周囲にこだまさせる“口笛おじさん”がいた。あの音はどこから? あの世から響いてくると思えるほど反響がすごい。カルデラ地形だからこその現象だった。そして至るところから見えていた室内池に到着。近くまで行ってみると、春の使者(?)おたまじゃくしが大量に泳いでいた。
男三瓶山を見上げると青空が覗いていた
池の先の分岐に達すると、文字通り大人数の団体に遭遇。おじちゃんの陰にあった道標を見て扇沢まではまだ遠いなとため息をつきつつ、横を通過した。薄暗いどんよりとした雲がその頃徐々に切れ始め、そのうち青空が覗いて、ちょっとだけなごむ。
最後の急峻な斜面をあえぎながら登り、15:24扇沢に着いた。足が完全に棒になっている。
三瓶山北の原キャンプ場
扇沢から西の原駐車場まではあまりにも長い40分だった。計画がだいぶゆるかったせいで、所要時間の読み誤りとコースの取り違えもあって久々の長時間歩行となりヘロヘロだった。よく歩けたものだ。
その後西の原駐車場から本日のお宿である北の原キャンプ場に移動し、テントを張って、やれやれ。日が傾く頃、山の神とビールで乾杯した。
石見銀山へつづく
平成最後の山登り、三瓶山Part1へ戻る