目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

剣山・三嶺Part2~三嶺&名頃へ下山

2016-06-04 | 山行~中国・四国地方

Part1の続き

白髪避難小屋に着いたのは、まだ14時を少し回ったばかりだった。普通なら、なんのためらいもなく先に進むところだが、ここから三嶺小屋までは2時間余りあり、しかも三嶺への最後の登りは、クサリもあってかなりハードそうだと頭の中をネガティブ要素が駆け巡る。ここに泊まるか?でも明日の行程はその分長くなる。バスの時間もあるし。やはり明日楽したほうがいい。気持ちはもう出発に傾いていた。山の神が小屋の中を覗いて、中にいた夫婦に話しかけていた。今日はここにお泊まりだという。今のところ、お泊りはこの1組の夫婦だけだが、これから到着する人も多いだろう。テントも1張りだけで、カップルが近くでくつろいでいた。

14:14白髪避難小屋を後にした。徐々に高度を上げていき、ふと高知側に視線をやると、海が見えた。まさか太平洋が見えるとは思わなかった。意外に近いのだ。


土佐湾を望む。

せっかく登ったのに、そこからしばらく下りになる。後ろからかわいらしい黒柴を連れたご夫婦がやってくる。山の神と私は、へばり気味だが、会話を交わしながら、快調なペースで歩いている。うらやましい限りだ。

下ったら、当然登り返しになる。鐘のある韮生越(にろうごえ)から、根性の上りだ。ここで黒柴夫婦に道を譲る。15:01ようやくカヤハゲ(東熊山)に達し休憩にした。ここになぜか「韮生越」と書かれた板切れが落ちていて、あれ、ここが韮生越なのかと、地図を取り出して愕然としていた。まだ長いぞといっていると、次郎笈で見かけたカップルが追い越していった。みんなタフだ。

 
左:三嶺への上り。巨岩が見えている 右:山の神、クサリ場を通過中

出発して、すぐに下りになる。「韮生越」であれば、上りになるはずで、先ほどの板切れは誰かのいたずらだと判明した。いよいよ最後の上りだ。屹立した岩が正面に見え、山の神と私を威圧していた。登っていくと、その姿ほどの激しさはなく、あっさりと横を通過。

16:00三嶺の頂上に到着した(冒頭写真)。記念撮影をしたが、東京に帰ってその写真を眺めると、明らかに山の神も私も目が死んでいた。久々に疲労困憊状態だった。

 
左:三嶺山頂 右:三嶺小屋と池。奥の小さな建物はトイレ

早く三嶺小屋に行って落ち着こうと、早々に山頂を後にした。スイスみたいな麗しい眺めが目の前にあって、気分は爽快だ。本日のお宿、三嶺小屋に入ると、思ったほど登山者はいない。やはり明日から天候が崩れるからだろう。2Fスペースに人影はなく、1Fにパラパラと数人いるだけ。山の神と私は、1F奥、角のスペースを占有した。結局後から福島のご夫婦が到着しただけで、総勢10人だった。テント場も少なく2張りのみ。黒柴夫婦と、次郎笈で見かけたカップルだ。

ビールを飲んでごろりと体を横たえると、すぐさま寝入ってしまった。そして翌朝は、5時頃の起床。4時頃にガサガサと音がしていて、誰かもう出発するのだと思っていたのだが、起きてみると、全員いる。トイレだったのか。今日は天候が崩れてくるから、朝食は下山後にしようと山の神に告げ、早々に出発することにした。

 
左:三嶺小屋(三嶺ヒュッテ) 右:名頃駐車場。向かって右奥にトイレ、左手に休憩舎あり

5:35小屋を出た。しばらく下っていくと、シカがピーと仲間に危険を発しながら、脱兎のごとく逃げていく。最近は害獣として駆除されているから、必死のようだ。そこからすぐに水場への分岐が出てきた。小屋と水場往復で30分くらいらしいが、こんなに下だとは、、、だいぶ不便な水場だなと思いながら通過した。

やがてポツリと雨粒が。ジャンジャン降ってくる気配はないが、嫌な感じだ。天気は下り坂なのに、モミの林に入る頃から、これから登ろうという人たちとかなりすれ違った。遠方から来て、どうしても三嶺に登りたいのだろうか。

一度休憩を挟み、小屋から2時間ほどで名頃に到着した。山の神とまずバス停を確認しようと、あてずっぽうに右往左往して探したが、まったくそれらしいものが見当たらない。地図をチェックして、ようやく橋を渡って439号を左手に進んだところにバス停を発見した。駐車場に戻ると、見ノ越から車道を2時間半かけて歩いてきたという、つわものがやって来た。大変だったでしょうというと、ずっと下りだったから、それほどでもないという。

その後、外のテーブルで朝食をとり、コーヒータイムとしゃれ込んでいると、完全に雨模様となった。隣の休憩舎に逃げ込むと、続々と下山者がやってきた。昨日山の神と私を追い越していった黒柴夫婦や、山中で足がつったといって休憩していた方、名古屋から来たという若夫婦らとバスがやってくるまで、ペット談義・山談義に花を咲かせることになった。

バスは10:33発。恐ろしくクネクネした狭い道を飛ばし気味に進んで、車酔いした頃、見ノ越に到着した(名頃~見ノ越¥1,230)。

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