目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

鷲羽・水晶・雲ノ平・三俣蓮華・双六Part2~鷲羽岳・水晶小屋

2013-10-05 | 山行~北アルプス

000img_6912鷲羽岳 標高2924.2m ワリモ岳 2888m 長野・富山県

2013年9月18日(水) 晴れ

コースタイム 鏡平山荘6:07--6:54弓折乗越7:02--8:02双六小屋--(巻き道)--9:16休憩9:26--10:13三俣峠10:23--10:55三俣山荘(昼食)11:28--12:30鷲羽肩12:35--12:50鷲羽岳山頂13:12--ワリモ岳--14:40水晶小屋

5:00頃起きだし、山荘の外に出てみると、だいぶ冷え込んでいた。外で湯を沸かして、朝食の準備だ。山の神と自炊者用の部屋で、スープやパンでそそくさと朝食をとる。6:07団体が準備運動している端を通り抜け、山小屋を後にした。そのうち槍の左方よりご来光となり、いっきに周囲は明るく照らし出された。どんどん高度を上げていくと、鏡平はしだいに小さくなっていき、山荘の赤い屋根は小さな点になっていく。

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左:鏡平を見下ろす 右:弓折乗越より笠ヶ岳への道がつづく

6:54弓折乗越に到着する。先行して登っていたもうひと団体がここで休憩していた。山の神と私が到着すると、笠ヶ岳へ向けてにぎやかに出発していく。笠にも行きたいねえ。

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左:コルに双六小屋。奥は鷲羽 右:山肌を縫って巻き道を行く

乗越から少々歩くと、双六小屋が見えるのだが、見えてからが長い。そのうち登山者何組かとすれ違う。早くも下山のようだ。双六池が見え、幾張かのテントがあって、人の姿が見える。8:02ようやく双六小屋に着いた。小屋の女性スタッフが、屋根に上がって布団干しをしている。3人くらいが作業をしていたが、皆女性なのには、ちょっと驚いた。最近山小屋スタッフの女性比率は上がっているのだろうか。

双六小屋からちょっと上って、巻き道に入る。小屋のスタッフらしき20代の男女にあっさりと追い抜かれる。ノンストップかつ高速で進んでいき、あっという間に後ろ姿が小さくなっていった。山の神と私は、そんなペースでは当然歩けないので、巻き道の途中で腰を降ろし休憩にした。

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鷲羽岳と三俣山荘

その後、山の神のペースがガクンと落ちた。やはりまだ本調子ではないようだ。そのうち単独の年配者にいとも簡単に追い越される。その方は、三俣峠で休憩していて、話を聞いてみると、日帰りだという。鷲羽に行きたいけど、行くと帰りが遅くなるだろうから、三俣蓮華に登って帰ろうと思っていると。荷物を軽くして超高速登山なのだ。こんな猛者もいるのだと感心した。

私は睡眠は十分で、だいぶ体力は回復していたのだが、山の神は昨晩の鏡平でもいまひとつ十分な睡眠がとれなかったとこぼし、ペースは落ちるいっぽうだった。

さて三俣峠から下ってくると、これぞ、鷲の姿という鷲羽岳の雄姿が拝める。この姿を見たら、誰だって百名山に投票したくなる。

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左:三俣山荘。昨日会ったアニキが目の前を横切っていった 右:鷲羽池

三俣山荘で、腹ごしらえ。山の神はとにかく、食べれば元気が出るし、荷物も軽くなると、早々に鏡池山荘でつくってもらったおにぎり弁当(¥800)に手を伸ばしていた。山荘の前で冷やされていたジュースも購入(¥400)。冷たくて甘いジュースをごくごくやると、だいぶ生き返ってくる。

左上の写真の左側の建物は、三俣山荘の食堂。登山者が昼食目当てでこの建て屋に吸い込まれていく。ここの名物はジビエ(ここでは鹿肉)のシチュー。最初からここで昼食と予定していれば、名物シチューを食べられたかもしれない。

ご飯を食べて元気になった山の神は、ペースを取り戻し、さくさく鷲羽の急登を上っていく。快調なペースだ。途中、鷲羽池が見える山頂手前で軽く水分補給して、再び山頂へ向かう。

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赤茶けた岩肌を見せる硫黄尾根の向こうに常念岳

鷲羽岳山頂には、12:50到着(冒頭の写真)。平日の割には、7,8人とそこそこ人がいた。しかも知らぬ同士で会話がはずんでいる。山頂からの眺めは最高だった。周囲360度、大パノラマの風景が目の前に広がる。

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野口五郎岳方面を望む

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笠ヶ岳

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乗鞍岳と奥に御嶽山

山頂からの景色を堪能し、13:12に下山開始する。この日の後行程は、水晶小屋までだからのんびりと長居をしてしまった。山頂からの下りは、なかなかの高度感があったり、片側が切れ落ちていたりとけっこう怖い道だった。慎重に下り、ワリモ北分岐に出る。左手を見下ろすと、雲ノ平方面に下っている登山者の姿がちらほら見える。明日はこの道を下っていくのだと、山の神と話しながら、先へと進む。フツーならこの辺りで休憩をとるところだが、いっきに水晶小屋まで行ってしまえと、歩みを速めた。しかし、行けども行けども一向に小屋は見えない。

14:40突然水晶小屋が現れた。予約したものですといって、小屋の宿帳に名前を記しながら、昨日鏡平山荘で水晶小屋に行くと耳にしていた12,3名の団体はもう来ているのかと聞くと、まだだという。団体到着は、16:30頃だったと思う。空いていた小屋は一瞬にして窮屈になってしまった。

でもこの小屋では、楽しい出会いもあった(プロローグ参照)。地元は姫路だけど、いま東京転勤になっているという同世代の夫婦とも面白い話ができた。彼らは台風のときに太郎平小屋に泊まっていたという。激しく雨漏りしていたとか。それにしても、なぜ台風のときに入山するのだろうか? 登山道は川のようになっていたらしい。会話がはずむと、夜の更けるのも早い。さあ、明日は念願の雲ノ平へ入っていく。

Part3~水晶岳・雲ノ平へ続く
プロローグへ戻る
Part1~鏡平へ戻る
Part4~三俣蓮華・双六へとぶ
エピローグ~遭難考へとぶ


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