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なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

打たせてくれる先生

2009-09-16 00:48:37 | Weblog
 少し前に、ネットで再会した嘗ての先生(”たぶん”ですが)の話をしました。
  今日もその方の打ち碁を3手目から終局まで観戦することが出来ました。

 嘗て私が通っていた碁会所に、時折訪ねてくれて、何局か打って貰いました。
  大学病院の医局勤務から同じ県内の国立病院勤務になりましたが、病院勤務の頃も2カ月に一度くらいだと思いますが顔を出してくれました。
 (ここから先は想像ですが)
 勤務の方は停年退職して故郷に帰って今は悠々自適・・・
 (実は勝手に故郷を東北方面に決めていて、停年退職と言うことにして、しかも悠々自適と言うことにしています。)
 本当はまだ現役かもしれないし、自分で開業しているかもしれないし、週の2,3日を頼まれて勤務しているかもしれない。
 マアそこのところは勝手な想像ですが。
  ただ、今日の対局を見せて貰ってますます同一人物に違いない確率が高くなったような気がします。

 対局の方は先輩(?)のSさんの方が勝ちました。
  Sさんが白番で相手の方も同じ点数なので、黒6目半コミ出し。
 黒氏は4隅で稼いで、白のS氏は厚みに物を言わせて追い込む構え。
 黒氏は隅で稼いだ分中は白が厚く、それが全部地に変わると黒も楽観は出来ない形勢で、それを黒が制限に行くと、黒氏の隅の地も当初の見てくれより小さくなりそうな形勢。
 要するに私ならどっちを持っても自信が無いという場面。
  さて、黒氏の隅の一団に薄いところがあって、本来なら黒は手入れが必要なところ・・・但しそうすると当然黒が後手となる。
  もし黒が手入れをしない場合は、どうやら白からコウ絡みで取りに行く手がありそうな場面。
 果たして黒は手抜きで他の場所で白地を制限する手を打つ。
  当然これを受けていては白は後手で,得るものは無いわけで、黒からのヨセを断固無視して、黒の大石を取りかけに行きます。
 黒はコウでしかシノギが無い形なのですが、ものが大きいだけに黒からのコウ材が難しい。
  結論から言うと白がコウを解消した時点で終局。

 こういう碁は終わってからも観戦者は(勝手に)忙しい。
 当然今回のテーマは「もし、コウも辞せずなどと手抜きをしないで、手入れをしていたら地合いはどうだったか」です。
 実際の対局は180手程で終わっていますが、事件発生以前の場面から勝手に100手くらいシュミレーションして、280手くらいまで想定図を作ると・・・これが白の1目半勝ち。
 シュミレーションの信憑性が問題ですが、高ければ、あの時点ではどうやら手抜きを決断するには早かったかも知れません。
 但し、シュミレーションにどこか間違いがあって・・・黒氏の考えでは「勝負の手抜き」だったのかも知れないし、実戦での心理状況として「このままでは追いつかれる」というプレッシャーを受けていたのかもしれません。

 ところでネットのS氏、私の受ける印象ではますます同一人物のS氏に思えて来ます。
 理由の一番は先生のイメージ。
  先とか2子で教わる場合、上手には大きく分けて2つのタイプがあると思います。
 単純に言うと・・・
 ① 打たせてくれるタイプ
 ② 打たせてくれないタイプ
 ①と②ではどう違うかと言うと・・・
 例えとして適当かどうかは分かりませませんが、子供を躾ける時の事を想定します。
 ②は大人から見ていけないと思われることは断固禁止する、あるいは大人も自分の主張をする・・・①の方は、子供がやろうとすることはたいていの事はやらせてくれる・・・但しそれが正しく無い事である場合は「決して利益にはならない」と言う事を自分で悟るようにしかやらせてくれない。
 つまり下手としては②の先生には潰される、①の先生には不利な状況に追い込まれ反省させられる感じ。
 一見すると②の先生が怖いけれど、①の先生の怖さは後で感じる怖さ。
  
 Sさんはどちらかと言うと「打たせてくれる先生」。
  但し正しく打た無いと、自分で打ちたいように打った筈なのいつの間にか不利になってる。
  先生は手を出さないのに勝手に道に迷う感じ・・・
 当然今日の碁みたいに手入れをしなければキッチリお咎めは有る。
  強い人は皆そうかもしれないけれど、この感じはSさんを感じます。