続々と帰ってくるサンタたちの群れを縫うようにソリを全速力で逆走させた。
女の子の家のそばまでやってくると空の上からその家を探し、真っ直ぐ女の子の家の前まで行き、玄関のまん前にソリを停め、急いで女の子の元へと駆け寄った。
しかし女の子の姿はそこにはなく、写真と手紙だけが枕元に残されていた。
プリンは慌てていた。タイムリミットはもうすぐだ。
”相手は小さな女の子、そう遠くへは行っていない筈だ”
そう思うと、すぐにソリに乗り空から女の子を捜すこと数分
「いた!」
小さな女の子が泣きながら一人歩いていると、目の前にトナカイに引かれたソリに乗ったサンタが現れた。
女の子はとても驚いた様子で大きなトナカイとソリを見つめている。。
それを見てプリンはもう一度ここに来て本当に良かったと思った。やっぱり女の子には自分の姿が見えていたのだから。
「サンタ・・・さん?」
女の子は小さな声でそう言い、プリンの方をじっと見ている。
「そうだよ」
優しくそう答えると、女の子は半泣き状態で言った。
「帰っちゃったのかと思ってた、去年も居なくなっちゃったから」
「僕を探していたのかい?」
そう聞くと女の子は小さく頷いた。
その姿を見て本当に申し訳ないと思ったし、情けなさで泣きたい気持ちになったが、今はまず女の子の願いを聞く方が先だ。
プリンは女の子を落ち着かせようと、女の子の隣にしゃがみこみ涙を拭いてあげた。そして子供が一人で寝ていたことが気になって聞いた。
「お母さんは元気かい?」
「うん」
「お母さんはお家にいるの?」
「お母さんはお仕事」
女の子はプリンの問いにそう答えた。。
「こんなに夜遅くにお仕事?」
「うん、お父さんがずっと入院してるから」
プリンは一瞬ゼリーの寂しげな顔を思い出した。そして今自分がしなくてはいけないことがこれでわかった。
お父さんを元気にすればまた3人が笑顔になる。そうすればこの子の願いは叶うのだ。
”そうと分かればすぐに病院へ”
そう思ったとき、通りの向こうから誰かの声が聞こえた。
「みさきー、みさきー」
そう言って道路の向こう側から女の子に手を振っている。名前を呼んでいるところをみると、この子のお母さんで、仕事から帰り子供がいないことを心配して探していたのだろう。
もちろんプリンの姿は見えてはいない。
手を振り返す女の子を見つけ、ちょうどお母さんが通りを渡っている時だった。
バンッ
鈍い大きな音と共に母はそこに倒れた。車から慌てた様子で人が降りてきて駆け寄ると、大声で叫んだ
「誰か!急いで救急車を、息をしてない」
そのころサンタの国では、プリンを除いたサンタ全員がプレゼントを配り終えて帰ってきていた。
「もう帰ってきていない者はいないな」
サンタの長が他のサンタに聞いた。
「まだプリンが戻っていません」
誰かがそう言うと周囲はざわついた。
何かトラブルがあったのではと噂するサンタもいれば、さっき姿を見たというサンタもいる。
でも現にプリンのソリだけが所定の場所に戻っていない。
「俺が迎えに行きます」
誰かの声が聞こえた。声の主はゼリーだった。
ゼリーはサンタの長に全てを話し、自分に全ての責任があると打ち明けた。
するとサンタの長はゼリーに聞いた。
「ゼリー、君はどうしてサンタをやっている?」
質問の意味がよく分からないまま答えた
「子供たちにプレゼントをする為に」
「では君がプレゼントするのは子供たちだけなのか?」
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・・・続く
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