私のおばあちゃんが去年亡くなった時、親戚が病院に呼ばれ、私もしばらくベッドの横に居ましたが、私のいとこが
「がんばれ、がんばれ」
とベッドの横で言い入院部屋を後にしてから、今度は叔母がベッドの横で
「もうがんばらなくてもいいからね」
と言っているのを聞いた。
叔母は病気になったおばあちゃんの面倒を見てきたから、ずっとがんばっていたのを見ていて、耐え忍び無い気持ちがあったのだろうと思う。
もう死を間近にした人を前にした時、がんばれというのか、もういいからと言うのか、それは人それぞれのその人に対する思いによって様々だけど、もしも自分が「がんばらなくてもいいから」と言われると、きっとショックを受けるだろうと思うのは、まだ生きたい気持ちがあるからだ。
「もうがんばらなくてもいい」
それは十分に生きて、その苦労も知っているからこそ出る言葉だろう。
戦争を乗り越え生涯をがんばって生きてきて、もう息も絶え絶えの状態でも精一杯がんばっている人間に対して、
「がんばれ」
というのも酷な話だ。
私も「もうがんばらなくてもいい」と言われる位、がんばって生きられるだろうか?
その答えは人の心の中に積み上げられるものなのですね。