青空に白い月

ゆったりゆるりと生きましょ~よ

一定のリズム

2008-06-03 23:43:40 | 日記・エッセイ・コラム

寝る時、毎日疲れきって眠くて眠くてもうどうしようもなくて寝るっていう事が毎日ではない。

どちらかといえば、夜だから寝るということも多いと思う。

そんな時、ただ目を瞑っていても私はなかなか寝られない。

でも私はタイマーで切れるようにしてから静かに音楽をかけっぱなしにして、そのまま聞いていると自然と寝られる。

逆に音があると寝られない人も多いと思うが、私の場合は一定リズムであれば、それほど音は気にならない。

例えば車の中で寝るとして、窓を開けたままだと時々外を通る車の音が邪魔で寝られないのに、窓を閉めてエンジンをかけたままだとエンジン音で外の音が掻き消され、しかもエンジン音っていうのは一定のリズムなのでその方が寝やすかったりする。

だから私は一定のリズムを刻むような音であれば、それほど気にならずに寝ることが出来る。

でもたまには例外もある。

私は13歳から入退院を繰り返しているけど、最初は病院の夜が怖いと思うこともあったが、それは直ぐに慣れ、寝る時も特に抵抗無く寝ることが出来た。

最近では、隣のベッドから結構大きないびきが聞こえても、普通に寝ることが出来る。

でも前に入院した時、眠りに入ろうとしているとある音が聞こえた。

コツーン、コツーン、コツーン、コツーン

そんな感じの反響するような音で、決して高い音ではない。

ハイヒールのかかとがコンクリートの床に当って反響しているのにとても似ていた。

だから私はこんな時間だれがハイヒールで廊下を歩いているのかと、寝ぼけながらそう思っていた。

でもその音はなかなか鳴り止まず、それに近づいて来る訳でもなく、遠のいて行くわけでもない。

そのまま5分位その音は続き、そして突然消えた。

消灯して間もない、午後九時半頃の事だった。

そして次の日もまた音は聞こえた。

今度は午後11時頃、また同じく

コツーン、コツーン

を繰り返している。

でもよくよく聞いているとその音は、どうも廊下ではなく私が寝ている上の方から聞こえてくる。

「上で何かやってるのかな?」

そう思って次の日私は看護婦さんに聞いてみた。

「この上ってなんですか?」

「屋上ですよ」

そう答えが帰ってきたので、もう私は何も聞かなかった。

そうなんですよね、私は最上階の7階にその時は入院していたから、当然上は屋上なんですよね。

そうしたら、その日の夜もやっぱり音は鳴り、それからも毎日ではないが時々

コツーン、コツーン

というなんともいえない音は、隣のベッドから聞こえるいびきと共に聞こえていた。

だから同室の人は誰もその音の事は知らない。

でも確実にその音は聞こえていて、私はある日廊下でも同じような音が聞こえるのかと思って、一度廊下に出ようと真夜中に起き上がり病室の戸を開けると、ぴたっとその日は音が止んだ。

でもその後も聞こえ、それが一体なんだったのか未だに分からないでいる。

流石に私も、いくら一定リズムを刻む音でも、あの夜に聞こえるハイヒールのような音だけはそれ以来苦手。

だってこえーもん。