青空に白い月

ゆったりゆるりと生きましょ~よ

サンタのプレゼント vol2

2007-11-26 13:47:35 | オリジナルのお話

プリンはトナカイの赤い鼻をやさしく撫で
「今年もよろしくな」
そう言うとソリに乗った。

そしてサンタの長の号令と共に皆いっせいに子供たちの元へと元気にソリを滑らせた。

プリンはもう考えることを辞めていた。

いろいろ考えたが、結局プレゼントととしておもちゃを配る以外には思いつかなかったからだ。
プリンは先輩達に続いて星の間をトナカイの引くソリですり抜ける

空から見る街はどこも光り輝き、たくさんの装飾されたツリーがキラキラ光っていて、まるでここにおいでとサンタたちを導いているようだ。
プリンは地上に着いてソリから降りると、自分が割り当てられた区域の子供たちのところへおおきなプレゼントが入った袋を持って歩き始めた。
すれ違う人たちは誰もプリンの姿をみても驚くものはいない。
サンタは大人も子供も普通では見えない存在なのだ。
でもプリンはそのことが少し不満だった。

「あーあ、僕はこんなにたくさんのプレゼントを持ってきてるのに、誰も僕に気が付かないなんて・・・」

地上に来るといつもそんな愚痴をいいながらとぼとぼ歩く。それにまだ新米に近いから、他のサンタに比べるとプレゼントを配る子供たちの数もずっと少ない。
だからいつも寄り道してクリスマスの風景を見ては、その楽しそうな光景を羨ましく思っていた。

歩き始めて数分で一軒目の家についた。
毎年同じ場所がプリンには割り当てられていたから、大体同じ家に数年間毎年通っていることになる

いつもと同じ風景を見ながら道路を歩くこと数分、一軒目の家に着いた。
そこはとても大きな家でリビングには暖炉があり、広い階段を上がり突き当たりの右側の部屋には両親が、左側の部屋には男の子が一人で眠っていた。
ベッドの横には大きな靴下がぶら下がっていて、その中にサンタ宛の手紙が入っている。
<テレビゲームのソフトがほしい>
それを読むとプリンは思った
”またかっ”
毎年この子はテレビゲームのソフトを欲しがるから、たまには違うものを置いていってみようかとプリンは思う。しかし後から先輩サンタに怒られるのが嫌で、だまって靴下にゲームソフトを入れた。

次は両親の間に挟まって寝ている女の子の家。
大きなベッドの横に小さい靴下、その中の手紙にはこう書かれている
<サンタさん、いつもありがとう。わたしはぬいぐるみがほしいです>
プリンはちょっとうれしかった。サンタがプレゼントを置いていくのは、最近では当然のように思っている子供が多くて、ちょっとでもお礼のような言葉があるとプリンは素直に喜んでしまう。
そして袋から大きなぬいぐるみを取り出すと、靴下に入りきらないそのぬいぐるみを床にそっと置いた。

3件目の家は毎年のように玄関の横に煙突の模型が置いてある。
プレゼントを置きに家の中に入るとき、サンタは煙突から入るものだと思われているようだが、実際にはサンタはドアが閉まっていても通り抜ける事が出来るから、わざわざ屋根に上るようなことはしない。
プリンは本当に煙突から入ってみようかと思ったが、煙突から入って真っ黒になったドジサンタの話を思い出してそれはやめておいた。

そんな調子でプレゼントを次々と子供たちの元へと届けた。

そしていよいよ最期の子供のところへ向かった。

去年からプリンの担当になったその子供の家は小さく、家の中に入っても外の風が通り抜けるような造りで、去年は小さな女の子がそこで一人で寝ていたのをよく覚えている。
女の子の家の中には今までプレゼントを配ってきた家のようにクリスマスの雰囲気は一切無く、クリスマスツリーも何もなかった。
枕元には紙と一枚の写真があり、プリンは紙に書かれた文字を読んだ
<このままのしあわせがずっとつづきますように>
紙にはそう書かれていて、親子3人が満面の笑みで映った写真が一枚。
それは去年と全く同じ手紙と写真だった。
プリンのプレゼントの袋にはまだいくつかのプレゼントが残っていたが、でもその子にあげる物は何もない。
”きっとこの子は幸せで、もう何もいらないのだろう”
そう考えていると、ちょっとだけ女の子の目が開き、プリンの方を見たように思えた。
プリンはビックリして一瞬全身の動きが止まった。
次に女の子を見るともう目は閉じて寝ているように見えた。
プリンはプレゼントを置きに入った家の中で、初めて子供の目を見た。
いつもは目を閉じて眠っている子供の横に、そっとプレゼントを置くだけだったから、一瞬この子には自分が見えているのかと思った。
でも女の子の目はもう開かなかった。ほっとしたような少し残念だったような複雑な心境のまま、その子にだけプレゼントを渡さずにソリに乗り、再び空に向かってソリを滑らせた。

・・・続く

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どうしてお腹が減るのかな♪

2007-11-25 23:36:14 | シェーグレン日記

ステロイドはメドロール6mgを飲んではいるけど、それにしても最近ずいぶん腹が減る。

食欲の秋とはいうけどね、ここまで食欲があるとちょっと・・・

夜7時頃に夕飯食べてからすぐ歯を磨くようにしているのは、最初は食べない為だった。

でもそうしたら体重が減ってしまって日中少しは間食もするようになったし、最近では3食も量はやや大めには食べている筈だ。

でも腹が減る。

今も夜11時をまわり、かなり腹ペコ状態でいる。

ここで食欲のままに私の場合は食べた方がいいのかもしれない。現に体重減少の傾向があるから。

ステロイドで食欲が出て、シェーグレン症候群で体重が減る症状がある筈だ。

だったら理屈だと食欲のままに食べてもいいようなもんだけど、でもそうはいかないし、食欲大盛になるほどのステロイドも飲んでいない。

秋だからっていうのは番外で、食欲の秋とはいっても秋になったら自然と人間食欲が出るわけではなくて、単に秋はうまいもんが多いから食べたくなるっていうだけだから、そんな風に自分に言い聞かせても気休めにもならない。

そうするとまだ検査結果を聞いてもいない甲状腺ホルモンの異常がちょっと浮かんでくる。

どうもその異常でいくら食べても腹が減って体重減ったりすることがあるらしい。

あー、腹減った。


サンタのプレゼント vol1

2007-11-25 13:38:49 | オリジナルのお話

遠い遠い空の彼方の小さな星
そこにはサンタの国がある

そこではたくさんのサンタが明日のクリスマスに配る子供たちへのプレゼントの準備で大忙し。
その中の一番若いサンタがおもちゃを大きな袋にポイポイと放り投げている。

「ねぇゼリーどうして僕達は子供達にプレゼントを配らなきゃいけないのかな?」
プリンはおもちゃを放り投げる手を止めて、先輩サンタのゼリーにそう聞きいた
「どうしてって?それはそれが俺達の役目だからさ」
ゼリーはそう言うと、さっさとプレゼントの入った大きな袋をそりに乗せた。
「お前もさっさと準備しとけよ、明日は年に一回のクリスマスなんだぞ」
プリンはまたおもちゃを大きな袋にしぶしぶと詰め込み始める。
それを見たゼリーが呆れたように言った。
「お前は何を子供達にプレゼントしてる?」
「何って・・・おもちゃですけど・・・」
プリンが当たり前のように答えると、更に呆れてゼリーは言った
「あのなー、お前の役目は子供達が」
その時、遠くから仲間のサンタが叫んだ
「おーい、そろそろミーティングの時間だぞー」
「おー、わかった今行くから」
ゼリーは仲間のサンタにそう答えると
「まーそのうちきっとわかる日が来るよ」
そう言い、プリンの方を向いてちょっとだけニコッと笑った。
「さぁ、今年もいよいよクリスマスが来るぞ」
そう言うと張り切ってプリンの手を引きミーティングへ行った。

ミーティングの広場にはもうたくさんのサンタが集まっていた。
赤い服、赤い尖がり帽子の上には白いボンボリ、それに白いひげ
みんな同じ格好をしている

プリンは雑然とした中で、さっきゼリーに言われたことを思い出していた
”お前は何を子供達にプレゼントしてる?”
何度考えても答えは一つしか浮かばなかった
”何度考えても僕がプレゼントしているものはおもちゃだけだ、それ以外に何があるっていうんだ?”

サンタがソリに乗って出かける日はたったの一日、それはクリスマスの日の夜だけで、サンタが一年間で唯一出かけることが許される日。
だからサンタ達は、そのたった一日に一年間の全てを注いでいる。

プリンは思っていた
”どうして僕達は一年に一回、たったの一日しか活躍できないのかな?”

広場では既に明日のクリスマスに向けてミーティングが行われていた。
でもやることは毎年同じで、

忘れ物はないか
自分の行く地区の確認
それに一番大切な帰ってくる時刻の確認
サンタはクリスマスの日だけしか子供たちのいる星へ行ってはいけない。それは絶対に守らなければいけない約束であった。もしも夜明けまでにかえらなければそのサンタは消えてなくなってしまう。だから帰ってくる時刻は特に厳しく決められていて、それを破ることはとても重い罰になる。

そしてミーティングの終わりにサンタの長からの激励の言葉
「さあ、今年もクリスマスがやってきました。一年間の準備の全てを、明日全て出し切りましょう」

プリンはその言葉を聞くといつも思う
”一年間の準備っていっても、僕はただ遊んでいただけだ。準備したのは今日おもちゃを袋につめただけ”

クリスマスの日、子供たちの話題はプレゼントで持ちきりだった
「サンタさんに何頼む?」
「うーん、僕はゲームソフト」
「僕はラジコン」
「私はミッキーのぬいぐるみがいいなー」
中にはこんなことをいう子もいる
「サンタなんて本当はいないんだよーだ」
実際にサンタを見たことのある子供は一人もいなかった。

同じ頃、たくさんの電飾で飾られた大きなクリスマスツリーがある広場の前で、ある親子が話をしている
女の子はお母さんに言う
「今年は家にもサンタさんくるかな?」
お母さんはどこか寂しげに答える
「そうね、来てくれるといいわね」
そう言う母の顔を女の子はぼんやり見つめている
「いいえ、きっと来てくれるわよ」
母はとっさに笑顔をつくってそう答えた。

・・・続く

                         

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明日から

2007-11-24 23:06:04 | オリジナルのお話

あと一ヶ月とちょっとでクリスマス。別にクリスマスに向けて書いたわけではないけれど、ちょっとしたお話を書いてみた。

クリスマスといえば、大体は恋愛話を思い浮かべるかも知れないけど、

私がたった数分の思いつきで書いたのは、サンタと子供の短い話。

明日から何日かに分けてここに載せようかと思う。

その間、退屈だったらごめんね。

ps、

これはブログなので、新しい順に表示されてしまうからちょっと見づらいですが、vol1から順に読んで下さいね。


文字を書く習慣

2007-11-23 22:06:56 | 日々思うこと

感想文 400字詰め原稿用紙2枚以上

私が小学生の頃の国語の時間、よくそうやって文章を書いた。

いや、書かされた。

でもなかなかあの原稿用紙に3枚も文章を書くっていうのはなかなか私にとっては大変な作業で、いつも内容など無視で、ただひたすらどうすればたくさん原稿用紙が埋まるかを考えていた。

例えば、本か何かの感想文であれば本文をでたらめにたくさん引用してみたり、遠足などの感想とかは「」をたくさんつけて会話の部分を多くして、行の空白の部分を多くしたり、そういうことには良く頭が回った。

でも今になってみれば、原稿用紙3枚以内にまとめる方が大変な作業かなと思える。

だって原稿用紙3枚といっても1枚に400字びっちり字を埋めるわけではないし、それにこうして日常ブログを書いたり、友達にメールしたり、いろいろとものを書くという作業が日常の中に多々出てきて、書いていると結構あっという間に原稿用紙3枚なんていってしまう。

携帯のメールでも何でも、それをする時と場所と内容さえ選ぶことが出来れば、ものを書くことに馴染むというのは私はとってもいいことだと思うから、書く機会が増えることは大いに結構なことだ。

電話の普及で一時期は文字離れなんて心配もあっただろうが、いまや大逆転で、私は逆にこうしてブログに言いたいことを書いてしまってるから、会話離れのほうが心配になってくる。

でもやっぱり今でも、特定の題を与えられたものに感想文を書くのは苦手だけど(>_<)