今回の選挙期間中石原慎太郎の演説を聞いたが、早い話が「お年より向け」の話であった。
本人自身もかなりな年だが「47になりましたがねぇ」などと言い、「ばれたか」などと付け足すいわば一人漫才のような話でそれが延々と30分も続いたのだからたまらない。
しかもこの人が来るまで予定の時間よりおそらく30分過ぎていたわけだからずいぶん人を馬鹿にした人間がいるものだとあらためて驚く。
しかもその場には自民党のジャンパーを着た党員が駅前の人の流れを勝手に「整理」してひどい不便をかけていた。
そういうことに関してほとんどお詫びの言葉もなくてまるで大名行列であるかのような横暴な振る舞いに驚きあきれた。
しかも明らかに自民党の党員と思われる無数のおばさんたちがずっと前のほうにかなり前から陣取っていたし、信じられないほど多くのSPの人たちがこれまたずらっと居並んでいるわけだから、石原が演説の受けがよかったようなことを言って東京オリンピクに理解がえられたようなことを言ったとしてもそれはまったくおかしな話で、ようするに自分の演説に来ているもの以外は都民ではないと言っているのに等しい。
都民でないとは言わないまでも「都民に良識がある」というようなことを言うのだからこの人はつくづく幸せ者でつける薬はない。
選挙などというものはいわば人気投票であるから、当選した人がかしこいわけでも実績があるわけでもなんでもない。
この知事は情報公開について聞かれると「警察に関する情報は出せないものがある」とかそういうことばかり言うけれど、まず自分がどれだけ財政赤字を減らしたのか具体的な数字を示すことはない。
そんなことは演説できちんと示すべきだと思うが、「土俵際まで追いこまれたが、星を五分に戻した」とかそういうわけのわからない話ばかりで実際どれだけとの借金が減ってそのうち税収ののびによるものがどれだけなのか、などといった数字はまったく出さない。
もちろん東京オリンピックを開けばいくらの経済効果がでるとか、そういうことは言うけれども、それにどれだけの予算がかかるのか、すでにかかっているのか、あるいはオリンピックが開催されないとしてその段階でもすでにかかるであろう税金の額などは一切言わない。
演説で話したのは東京オリンピックを見て感動したとか円谷の遺書が立派なものであったとか言うことを長々と話すわけである。
そして当選すれば「反対の人は理由をのべろ」といいますが、必要な経費や都の財政状況などに関して具体的なことはいっさい言わずにそんなことを言ったっておかしな話だといわざるを得ない。
まず石原は東京オリンピックをやって自分が言っている数字の経済効果が出なかった場合、責任とるんですかね。
とるわけないでしょう。
この人は金持ちかと思ったら、あれだけ喧嘩した自民党と仲直りして三男も自民党の政治家にしてしまうし、四男にまで税金を使わせるしで身内におやさしい政治家というか、税金を親子で果てしなく使っているので唖然としたぐらいですから。
この人のスパルタ教育というのも一体何のための「スパルタ」だったのか、驚きです。
経済効果の数字を言ったあとで、そういうことよりも一緒に夢を見ましょうよ、とか言ってましたが、この言い方はすごくあやしいですよ。
権力者が公私混同して特権濫用している世の中で庶民が希望を持てるわけないでしょう。
まるでどこかの宗教家とか、怪しげな商売をやってる人のセリフかと思いましたね。
政治家はなんと言ったって数字にこだわるべきではないですかね。
その数字にこだわられるとまずいからそんなことを言ってるんしょう。
実際のところ政治家というのは宗教家に似た部分もありますが、とにかくほかにめぼしい候補がいなかったというのもひどい話でした。
特に共産党。
足立区長を一期やったからといって、吉田さんは区長選で二度落選してるんですよ。
そんな人が都知事になれわけないでしょう。
ビラをたくさん配りまくるお金がるんだったら、少しまともそうな芸能人を見つけてきて口説き落とすぐらいのことを一度ぐらいやってみてくれませんかね。
共産党支持をしてる芸能人は以前はビラに名前が書いてあったりしたんですが、最近見ませんね。
いずれにせよ石原はあれだけ自民党と喧嘩をし、公明党に関しても昔新進党の頃だったかテレビで渡辺恒三に公明党とのつながりを批判して逆に言い返され、「あなただって最初の選挙のとき霊友会のたすきをかけていたでねぇか、かっこつけてばっかいたってはじまらねぇよ」とか言われてその話をよせばいいのにまた本にまで書いていたのに、今度は自民党だけでなく公明党の支持も受けていたようですね。
人間ってすごい情けないものだなとつくづく思いました。