二週間ほど前だったか、古賀誠の選挙区に関するレポートがわりと長い時間報道ステーションで放送された。どう考えても民主党の候補を後押しする内容だ。
かつて細川政権が誕生した時椿というテレ朝幹部が政権交替を目指した放送を指示したことが問題になるものの久米が「○×の選挙区のみなさんよろしくお願いします」などと言っていた場面が検証されることもなく問題なしとされてしまったことは記憶に新しい。
古賀が苦戦していて危機感を募らせているというないようだったが、そのような内容は古賀だけでなく、町村や与謝野などほぼすべての報道ステーションが流した選挙区の選挙情勢に当てはまる。
つまり報道ステーションは大物自民党代議士に民主党の新人が善戦しているという情報を流して、自民党の大物が落選する可能性がある、と訴えかけ、浮動票がすべて民主党に行くよう働きかけているわけだ。
普通ならどうせ投票したとしても自民党の大物は落ちないだろうと投票をあきらめている反自民の決起を促しているのは明らかだ。
自分とて、今の自民がよいとは思わないし、たとえば今日取り上げられた森が落ちればそれに越したことはないと思う。しかし、先日の町村にしろ、森にしろ、普通に考えれば落ちるはずはないのである。東京の与謝野にしても確かにいままでは落ちたり通ったりというところならまだしも森や町村が落ちるはずはない。
しかし、それをいかにもこの選挙戦は自民大物が落ちる危険性があるという情報を流すことによって実際に落として見せようとしているのは明らかな選挙違反ではないか。
以前細川政権が誕生したときのテレビ朝日の椿発言はテレ朝の椿というえらい人がまるで自分のおかげで政権交代が可能になったような主旨の発言だったが、今回のようにあまりにでたらめな報道の仕方はそのテレ朝体質が今さらに強固なものになっていることを示すもので、これでは自民が下野しないはずはないではないか。
今日の森の話では最後に古館が整備新幹線が対立軸になると言っていたが、あのビデオを見たらそうは言えないはずだ。あのまったく政治の経験のない候補は岡田と完全に意見が食い違っていて、整備新幹線について自民党が民主党のネガティブキャンペーンをしていると怒っていたではないか。つまりあの候補も整備新幹線の推進を否定しておらず、それが森とあの候補の対立軸になっているとは言えないのだ。
それにしても森の応援演説に駆けつけた舛添といい、静岡で土下座をしていた片岡さつきといい、見苦しいにもほどがある。4年もやれば議員の収入だけでも億単位になるのだから杉村泰蔵のようにそれで満足してやめられないのか。
億という金が麻薬になってエリートを狂わせてしまうのだから、おそろしい。とにかく町村にしろ森にしろ古賀にしろ普通に考えれば落選するわけがない。それをいかにも落ちそうだという情報を流すのは報道機関として抹殺すべきだ。
NHKは意外と綿密な票読みをしていて驚いたことがある。実際、有力者に電話して票読みをして自分たちの票読みも示していてそれが実際にあたった。
選挙速報などで生かされるわけだが、テレ朝の選挙速報は投票が締め切られた時点で民主党の大勝利、自民党大物議員次々落選ということになりそうで、実際そういうことになったらテレ朝のおかげだとまた誰かが言うのだろう。
それで何かおいしい思いをする人がいるのだろうか。
とにかく今日の古館の発言はおかしい。あの候補は抗議しないのだろうか。