ちょっと長くなりそうなので、
2日に分けて書き込みます
またかいっなんて怒らないでね
昨日、友人が某有名劇団の、某有名ミュージカルを観て来たのだそうです。
「どうだった?」
「いやぁ。日本もダンスのレベルが上がったね
日本人もここまでできるようになったんだ、って
感動したわよ」
「そんなに?」
「昔からの名作じゃない。だから振付も決まってる。
それがよかったんだよね。
新作って、ともすると、これでもかって難しい振りを
付けたりして、観てる方はまるっきり楽しくない、
ってことあるじゃない?
『あ~~、わかったよ。オマエは上手いよ』って
言いたくなるような」
「わかるわかる。あるよね、そういうの」
「それがない分、安心して楽しめた。
歌もよかったよ
歌い方はかなりクラシカルだけど、
元々、映画でもクラシカルに歌ってるしね。
みんな巧かったなぁ。粒ぞろいだった」
「おおっ、それはすごいね」
「ただ・・・」
「ただ?」
「芝居がひどすぎるーーーーーーーーーっ」
よほど溜め込んでいたのでしょう。
もう「堰を切ったような」とはこのことか、
といった勢いで彼女は喋り始めました。
「いや。元々、芝居には期待してなかったわよ、そりゃ。
だから動じないつもりでいたんだけど
でも、いくら何でも、ありゃあんまりよぉ。
最初のダンスナンバーが終わって、
初めての会話シーンになったとき、もう本当に、
どーしようかと思ったわよぉ。
普通さぁ、あいつは下手だが、こっちは上手いとか、
あるでしょ?
それがないのよ。
全員が全員、同じレベルで下手っ
粒ぞろいっ
突っ込みすら入れられないっ」
「吐きそうなほど?(笑)」
「ううん。吐き気すら飛んでった。思考が止まった。
なまじ歌とダンスのレベルが高いだけに、
芝居のシーンとつながらないの。
歌やダンスが終わると、
『お、おいっ。また台詞を喋る気かいっ』
と思っただけで怖かったわよ。
あれは字幕にするべきだ。
自分がどんな役をやって、今どんな状態なのか、
わかってないんじゃないか、って思った」
「はぁ~、そこまでかい?」
彼女は役者ではないのですが、我々の間では、辛口で有名な人です。
いや、役者じゃないからこそ、あんなに厳しいことが言えるんだ、とも思います。
本人曰く
「でも、悪口は言ったことないわよ。
未来の演劇のために、あえて厳しいことを言ってるの」
だそうです。
確かに、どんな辛口の感想でも、
彼女の言葉には、舞台への愛情がひしひしと伝わってきます。
「いやぁ、それはお疲れさん。災難だったわねー」
「でも、歌とダンスでチケット代は惜しくなかった、
かな?」
「そりゃよかった」
「ふふふ(含み笑い)」
「何?」
「いや、別に」
「何よー、気になるじゃないの。話しなさいよ」
「いやね。ふふふ」
意味ありげに笑いながら、彼女は私に向かって言ったのです。
・・・・・・・・・・・・・・・
続く
2日に分けて書き込みます
またかいっなんて怒らないでね
昨日、友人が某有名劇団の、某有名ミュージカルを観て来たのだそうです。
「どうだった?」
「いやぁ。日本もダンスのレベルが上がったね
日本人もここまでできるようになったんだ、って
感動したわよ」
「そんなに?」
「昔からの名作じゃない。だから振付も決まってる。
それがよかったんだよね。
新作って、ともすると、これでもかって難しい振りを
付けたりして、観てる方はまるっきり楽しくない、
ってことあるじゃない?
『あ~~、わかったよ。オマエは上手いよ』って
言いたくなるような」
「わかるわかる。あるよね、そういうの」
「それがない分、安心して楽しめた。
歌もよかったよ
歌い方はかなりクラシカルだけど、
元々、映画でもクラシカルに歌ってるしね。
みんな巧かったなぁ。粒ぞろいだった」
「おおっ、それはすごいね」
「ただ・・・」
「ただ?」
「芝居がひどすぎるーーーーーーーーーっ」
よほど溜め込んでいたのでしょう。
もう「堰を切ったような」とはこのことか、
といった勢いで彼女は喋り始めました。
「いや。元々、芝居には期待してなかったわよ、そりゃ。
だから動じないつもりでいたんだけど
でも、いくら何でも、ありゃあんまりよぉ。
最初のダンスナンバーが終わって、
初めての会話シーンになったとき、もう本当に、
どーしようかと思ったわよぉ。
普通さぁ、あいつは下手だが、こっちは上手いとか、
あるでしょ?
それがないのよ。
全員が全員、同じレベルで下手っ
粒ぞろいっ
突っ込みすら入れられないっ」
「吐きそうなほど?(笑)」
「ううん。吐き気すら飛んでった。思考が止まった。
なまじ歌とダンスのレベルが高いだけに、
芝居のシーンとつながらないの。
歌やダンスが終わると、
『お、おいっ。また台詞を喋る気かいっ』
と思っただけで怖かったわよ。
あれは字幕にするべきだ。
自分がどんな役をやって、今どんな状態なのか、
わかってないんじゃないか、って思った」
「はぁ~、そこまでかい?」
彼女は役者ではないのですが、我々の間では、辛口で有名な人です。
いや、役者じゃないからこそ、あんなに厳しいことが言えるんだ、とも思います。
本人曰く
「でも、悪口は言ったことないわよ。
未来の演劇のために、あえて厳しいことを言ってるの」
だそうです。
確かに、どんな辛口の感想でも、
彼女の言葉には、舞台への愛情がひしひしと伝わってきます。
「いやぁ、それはお疲れさん。災難だったわねー」
「でも、歌とダンスでチケット代は惜しくなかった、
かな?」
「そりゃよかった」
「ふふふ(含み笑い)」
「何?」
「いや、別に」
「何よー、気になるじゃないの。話しなさいよ」
「いやね。ふふふ」
意味ありげに笑いながら、彼女は私に向かって言ったのです。
・・・・・・・・・・・・・・・
続く