望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラの話のつづきのオマケ

2009-02-09 15:04:46 | 舞台・ウラ話
「ウラ話・その1」は、この前で終了。

ですが、読んでくださった方から、
「地震」のお題を拝借しまして、
ひとつ、オマケをつけさせて頂きます。

           

小劇場を観に行って、

「ここで地震でもあったら、まず全員アウトだな
なんて思ったことありません?

私、よく思います。

だって、地下の細―い階段を降りて行ったり、
むりやり鉄骨組んだだけの客席だったり。

イマドキ、こんな場所で何かやってるのって、
小劇場の演劇くらいでしょう   

ま、決して嫌いな空間ではないのですが、
危機管理としては、ゼロに近い

これは、
そんなこと言ってられないほど、
劇場の狭いことが、ひとつ。

そして、もうひとつ。

《自分たちの公演中は、
   きっと地震はおきないだろう》

と、何故か、思っていたりするんですね~

でもね。

・・・やっぱり、起きるんですよ。

      

もう4、5年前になりますが、
公演中に震度5がありました。

正確に言えば、昼の部の終演直後、
全員でお客様を送り出しに出た途端でした。

ところが!
そのときに限って、
極めて珍しいことに、

出演していた劇場が、小劇場じゃなかったんです。

できたてホヤホヤの半官半民の、
それはそれは、おっしゃれ~で、立派な劇場でした。

そしてなんと 

そこ、
ほとんど揺れなかったんです

飾ってある観葉植物がちょっと揺れて、
「あら?地震?」
って程度で。


しかし、騒ぎは、すぐに始まりました。
送り出して楽屋へ戻った出演者の携帯が、
軒並み鳴り始めたのです。

それぞれ、
今の回に来てくれた友人たちからでした。

「JR、全線ストップしてるよぉ~
「帰れないよ~
「震度5だったんだって~
・・・etc.
 
「えっ?うそ!」
と、楽屋を見回しても、
地震があったとは、とても思えません。
立ててあった細い口紅も、倒れてないのです。

「どうする?」
「どうするったって、もう夜の部の受付が始まっちゃうよ」
「とにかく、夜の部の用意を始めよう!」

でも、このとき、

なぜか全員、
こんな単純なことに気づかなかったんですねぇ。

JRが止まってる。
お客様が帰れない。

ということは・・・、

 お客様が来ることもできない  


といっても、バスや私鉄は動いている様子。
まさか、休演にはできません。

様子を見つつ、少し遅れて、
夜の部も開演しました。

せっかくの広い劇場に 
ありえないほど、まばらな観客  
観てるお客様の方が恥ずかしいんじゃないか、と、
心配になるほどの状態でした。

ところが、
どうも途中から電車が動き始めたらしいのです。

ありがたいことに、少しずつ、
お客様が入り始めました。

ただ、何となく空気が違う 
舞台を観てくださっているはずなのに、
ずっと誰かが客席で動いている感じ 
といったらいいでしょうか。

観ている途中で、携帯片手に外に出る方。
入ったものの、小声でささやきあっている方。
知り合いを探して、きょろきょろ動いている方。
(ここは避難所か?

みんな、お芝居どころじゃないんです。

そんな状態でも来てくださった、って、
本当にありがたいと思いましたし、
舞台に集中できないのは、
私たちの力不足でもあります。

でもね、

ぶっちゃけた話、

やっぱり、
  やりにくいーーーーーーっ

全員の目が舞台に向かったのって、
ラストの10分くらいだったでしょうか。

あとから聞けば、
私鉄を乗り継いで、大変な思いをして来て下さった方や、
駅のホームで、動かない電車を延々待って下さった方もいて、
そのありがたさに涙が出ました。

今でも、その方々のお顔を覚えています。

でも、はぁ~~~、
できればもう、あんな経験はしたくありません。

でもね。
ここだけのハナシ。

もし、また地震に遭うとしたら、

どうしても、
 遭わなきゃならないとしたら、

今度も、新しくて立派な劇場のときがいいな、
なーんて思ったりもするのです
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