衣装さんの持って来てくれたスカート。
見栄を張ったものの、
ウエスト60センチでも着られないのに、
それより小さいって、
入るワケないじゃないの!
どうしよう・・・。
そうだっ!
「あ、私、60でも入らないことあるし、
着てみて、入らなかったらごめんなさい、
ということで」
「わかりました。
でも、なんとかお願いしますね。
これ、一番ぴったりだと思うんですよ。
きれいに見えるし」
ん? きれいに見える?
パチッ
私の中でまたひとつ、
余計なスイッチが入りました。
「へぇ~~(すでに機嫌がよくなってる)、
とにかく着てみますね!」
と、フィッティングのスペースに行って、
そのスカートをはいてみました。
フレアーで、確かにとってもきれいに見える、
いいスカートでした。
そして、ウエストは・・・、
はまった・・・というか、は・め・た
もう、息をしたらホックが飛ぶな、って状態で。
かなり息も絶え絶えに、外に出ると、
「あっ、OKですね!
やっぱり似合うわ~。
よかったぁ。
ね、これ、いいですよね!」
と、演出家に。
「あ、いいじゃない。
これでいきましょう」
と、演出家まで・・・。
万事休す・・・というか、
もう既に、息が苦しくて倒れそうになっているのに、
これで歌って踊ってなんて、できるわけがない。
どうしよう・・・
あ~、見栄張るんじゃなかった~
とりあえず、仕方がないので、
翌日はそのスカートをはいて稽古に出ました。
もちろん、その下にジャージもはいて。
稽古の時はよくやるスタイルなので、
誰もおかしいとは思いませんが、
実は万が一、プチっときて、
みんなの見ている前で、スカートがストンと落ちたら、
という危険を回避するための、保険だったんです。
でも、ありがたいことに、まぁ丈夫なホックで(笑)
…反対に私のウエストが切れるんじゃないかと、
もう、地獄のような苦しさでした。
1時間ほどのアブラ汗の稽古のあと、やっと休憩。
その途端に、更衣室に走って、
とにかくスカートを降ろして、
「ほ~~~」
ダメだダメだ、もうダメだーーーーっ!!!!!
(つづく)
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