望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

違うかもしれないけど

2018-08-08 16:33:12 | 演劇・舞台・小劇場

「死はもう怖くない」津川雅彦が車椅子、鼻チューブ姿で語った覚悟

 4日に心不全で亡くなっていた俳優の津川雅彦さん。
 そのわずか2か月半前、本誌の独占取材に応じ、体調が万全ではない中で、
 2時間近くに渡り、自分の人生について饒舌に語った。
  (鎌田倫子2018.8.8 11:38週刊朝日#お悔やみ)



その文中に、こんなくだりがありました。


 「世間からは、兄は芝居がうまいが、弟は顔がいいだけのド大根、ってののしられてね。
 しかし、まねしようのがない兄の個性ある役者っぷりがあったからこそ、
 僕も自分のやり方を探し続けることができた」

 二枚目俳優からの脱却は、『必殺仕事人シリーズ』で敵役を演じたことがきっかけだと明かした。




『必殺仕事人シリーズ』で敵役??

もしかしたら、あのときの役だろうか?


実は、津川雅彦さんの芝居で、
今でも忘れられない演技があるんです。


私が中学生か高校生の頃。

やはり「必殺」シリーズで、

悪人(津川さん)が追い詰められて、
海にざぶざぶと入って逃げていく。

でも、もう逃げられないと悟ったとき、
急に振り向いて、こちら(カメラ)を見る。

にらむ、じゃないんです。
そんな単純な顔じゃない。

悔しさ、憎しみ、悲しさ、後悔・・・、
それはそれは沢山のものを、
その一瞬の表情で表現して「こちらを見た」んです。

芝居好きのナマイキなガキンチョだった私は、
その衝撃に凍り付いて、息もできませんでした。


必殺シリーズは何度も出演しておられるらしいので、
私が観た、その回のことではないかもしれません。

でも、間違いなく、1人の女の子は、
その演技で一生ものの衝撃を受けたのです。


私には二つ、忘れられない演技があって、

ひとつが、故日下武史さんのシャイロック。
もうひとつが、この津川さんの悪人。

また観たくても、
どちらも亡くなってしまいましたね。


今度はまた新たな、
衝撃的な演技に出会えることを期待しますか。


津川さん。
こんな見ず知らずのおばさんの人生に、
名演技を残して下さって、ありがとうございました!


  <合掌>
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