面白い本を読みました。
たしかTwitterかどこかで見つけて、
図書館にリクエストして借りてきました。
ただ、読んでいるうちに、
ずっと前に、若くして亡くなった役者さんが、
まだ生き生きと舞台に立ってらして、
胸がギュッとなったり、
いろいろと「?」な記述が・・・。
あれ?と、もうちょっと進んだところで、
「フロッピー」という決定的な単語に遭遇して、
奥付けを見たら、ちょうど20年前の本でした。
だよね~~、やっぱりね~~。
でも、
はてなマークをいくつも飛ばしながら、
半分くらいまで読んでしまったのにはワケがあって、
確かに登場人物や作品の話は昔だったけれど、
<内容が今と全く変わってない!>
もちろんこの筆者がいらっしゃるのは、
私のいる世界よりも、もっと大きい舞台で、
スタッフもキャストも皆、
演劇で食えている人たちなんだけれど、
それであっても、
20年前も今も、
お金のないのは一緒、
やってることも一緒、
なんですね~~、これが。
だから、あれもこれも、
私がよくウラ話で書いてるのと、ほとんど一緒!
結局、書きたいところは一緒なんだなぁと、
妙に納得してしまいました。
例の、劇場にいらっしゃる、人ならぬ方のことや、そのお祓い、
舞台監督さんのこと、制作さんのこと、
着到板の話、チラシの順番、折り込みのバケツリレー。
「折り込みは普通、プロのスタッフがやるが、
劇団さんだと若手がやったりする」
なんて話もあったけど、
いやいや、我々の世界だと、
かなりいいトシをした客演までが、
汗水たらして、やってたり致します(笑)
そして、意外なところで興奮したのが、
20年以上前、
客席でワクワクしながら観ていた作品の話が、
たくさん登場すること!
あーそうそう、この舞台観たわ〜、大好きだった〜、
なんて、
その当時のことを興奮気味に思い出して、
あの頃は若かったなぁ、なんて。
(実はそんなに若くなかった。でも、今から20年分は若かった)
もう、かなりキュンキュンな気分で、
何度もボーっと別の世界に飛びました。
といっても、
当時から私も役者をやっていたワケで、
今から考えると、
よくもあんなに沢山の、
自分に関係のない芝居を観に行ってたなぁと、
そのことにも驚きました。
おかしな書き方ですが、
それほどに今は、
知り合い以外の芝居を観ることがないのです。
ヘンなのは重々承知だし、
勉強したり、刺激もほしいのですが、
いろんな意味で余裕がない・・・。
そうか・・・。
この20年で、
それだけ知り合いの役者が増えたってことか。
といっても、観に行くのは、
その、ごくごく一部。一割もないくらい。
なのに、知り合いの公演だけで、もう一杯いっぱい。
はい、これが、ほとんどの役者の現実です。
あの人はいつも私の公演に来てくれる、
と思えば、
あちらの公演にも行ってあげなきゃ、
と思うのは人情だし、
あいつの芝居は面白いけど、
こっちの芝居を全然観に来ないよな~、
となれば、
ま、こっちもやめとくか、
となるのも人情。
自嘲気味に「演劇互助会」なんて笑ったりしますが、
アイドルでもない限り、
同業者ゼロでは動員はキビシイ。
はい、これが、ほとんどの役者の現実です。
特に私のように、無駄に長くやっている人間は、
そこの兼ね合いがとても難しいのですね。
なーんて、
まったく違う話になっちゃいましたが、
着物の話、小道具の話、衣裳の話。
そしてこの筆者の専門である制作の話。
なにもかも、本当に変わってないんです。
大きくても小さくても。
20年前も、今も。
お金にならないのは、
そのずっとずっと昔からだし。
ま、やっている事も、
生身の人間が舞台で演じるという、
何ひとつ変わらないことなんだから仕方ないか。
・・・それでも人は舞台に集まる。
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