望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ちょっぴりウラ話・イメージの膨らませ方

2011-01-31 00:53:32 | 舞台・ウラ話
 
時代物って、必ずそうなんですけど、
現代劇と違って、具体的なイメージを作りにくいんですね。

それでも、江戸時代の話なんかだと、
TVでもよくやってるし(それが正しいかどうかは別として)、
なんとなく「こんな感じ?」みたいなものはありますが、

今回のような古い時代って、
やる方もなかなかイメージできないんです。

もちろん、本を読んだり、ビデオ見たりして勉強しますが、
みんなそれぞれ手探り状態で。


そんな時、助けになるのが、演出家のひと言なんですね。

たとえば、私の発言でみんなが驚く、というシーンがあって、

でも、どのくらいの驚きなのか、皮膚感覚が伴わない。



そんなとき、演出の佐藤さんが、こんな説明をしてくれました。

「たとえば、北○鮮で、地方の長官に向かって、
 『あなたが総書記になるぞ』と言ったら、どうなると思う?
 聞いている人間はどれだけ驚くと思う?」

いや~、それはヤバいでしょ 

キムなんたらに反抗するなんて、

そんなことしたら、速攻、逮捕されて、まず死刑なんじゃない?



  あ・・・、

 そうなのか・・・。




私が口にする台詞は、そこまでヤバい話なんだ。


と、一気に納得しました。


他の人たちも、

そうか・・・。

自分たちはそんなヤバい話を聞いちゃったのか。
となると、この程度の驚きじゃないよな。

・・・と、

それぞれの役の立場で、一気に台詞がリアルになっていきます。


そして、次々と連想が進むんです。

「でも、自分たちが信頼するこの人が本当にトップに就いてくれたら、
 さんざん都から搾取されている自分たちの生活が変わるだろう」

「もしかすると、この人はスーパーヒーローかもしれない」

「なにを考えているんだ。そんな無茶ができるわけないだろ」

役の立場によって考えは違いますが、

それぞれの思いが深く、リアルになればなるほど、
当然のことながら、舞台もリアルになります。


派手な殺陣で汗を流しつつ、
こんなち密な作業も続いています。

どこまでお客様に伝えられるか、伝わるか、
その思いを台詞に乗せるべく。

作・演出が一緒だと、こういうときに教えてもらえるから便利です。


特に役者は迷い始めると、やたらと情報に飢えてくるもので 

演出家は大変です。
でも、これからもよろしくです 


<稽古場の風景>

これも1シーンです。
休んでるワケじゃありません!


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