時代物って、必ずそうなんですけど、
現代劇と違って、具体的なイメージを作りにくいんですね。
それでも、江戸時代の話なんかだと、
TVでもよくやってるし(それが正しいかどうかは別として)、
なんとなく「こんな感じ?」みたいなものはありますが、
今回のような古い時代って、
やる方もなかなかイメージできないんです。
もちろん、本を読んだり、ビデオ見たりして勉強しますが、
みんなそれぞれ手探り状態で。
そんな時、助けになるのが、演出家のひと言なんですね。
たとえば、私の発言でみんなが驚く、というシーンがあって、
でも、どのくらいの驚きなのか、皮膚感覚が伴わない。
そんなとき、演出の佐藤さんが、こんな説明をしてくれました。
「たとえば、北○鮮で、地方の長官に向かって、
『あなたが総書記になるぞ』と言ったら、どうなると思う?
聞いている人間はどれだけ驚くと思う?」
いや~、それはヤバいでしょ
キムなんたらに反抗するなんて、
そんなことしたら、速攻、逮捕されて、まず死刑なんじゃない?
あ・・・、
そうなのか・・・。
私が口にする台詞は、そこまでヤバい話なんだ。
と、一気に納得しました。
他の人たちも、
そうか・・・。
自分たちはそんなヤバい話を聞いちゃったのか。
となると、この程度の驚きじゃないよな。
・・・と、
それぞれの役の立場で、一気に台詞がリアルになっていきます。
そして、次々と連想が進むんです。
「でも、自分たちが信頼するこの人が本当にトップに就いてくれたら、
さんざん都から搾取されている自分たちの生活が変わるだろう」
「もしかすると、この人はスーパーヒーローかもしれない」
「なにを考えているんだ。そんな無茶ができるわけないだろ」
役の立場によって考えは違いますが、
それぞれの思いが深く、リアルになればなるほど、
当然のことながら、舞台もリアルになります。
派手な殺陣で汗を流しつつ、
こんなち密な作業も続いています。
どこまでお客様に伝えられるか、伝わるか、
その思いを台詞に乗せるべく。
作・演出が一緒だと、こういうときに教えてもらえるから便利です。
特に役者は迷い始めると、やたらと情報に飢えてくるもので
演出家は大変です。
でも、これからもよろしくです
<稽古場の風景>
これも1シーンです。
休んでるワケじゃありません!
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