雀庵の「常在戦場/102 「読書と毒書と独書の秋」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/382(2021/10/28/木】久し振りに文教堂書店を訪ねてみたら、「外交・国際関係」の書籍、それも「戦争前夜だ!」と危機感をあおるタイトルのものがずいぶん増えた印象だ。メモを取ろうと思ったがあまりにも多いので諦めた。
武漢発コロナ菌との戦争本も20~30冊並んでいたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、まあブームは終わった感じ。今度は北京発習近平菌との戦争に関心は移りつつあるようで、習近平が除菌されるまでの1、2年(?)は「中共叩くべし!」「目覚めよ日本!」系の本は売れ筋になると出版社は皮算用しているはずだ。直近を含めて近年発行されたその手の本には、例えば以下がある。
石平 「中国共産党 暗黒の百年史 なぜ日本は中国のカモなのか」「中国五千年の虚言史 なぜ中国人は嘘をつかずにいられないのか 」「石平の新解読・三国志 愚者と智者に学ぶ生き残りの法則」「なぜ論語は善なのに、儒教は悪なのか 日本と中韓 道徳格差の核心」「私はなぜ中国を捨てたのか」「なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか」「なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 脱中華の日本思想史」、宮崎正弘・石平「中国が台湾を侵略する日」
櫻井よしこ「赤い日本」「亡国の危機」、門田隆将「なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか」「新・階級闘争論 暴走するメディア・SNS」、杉山大志「脱炭素は嘘だらけ」、上念司「日本分断計画 中国共産党の仕掛ける保守分裂と選挙介入」、楊海英「独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで」、花田紀凱編集「習近平vs.櫻井よしこ」、山口敬之「中国に侵略されたアメリカ」、馬渕睦夫「ディープステート 世界を操るのは誰か」、青山繁晴「誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)」
福島香織「ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実」「習近平 文革2.0の恐怖支配が始まった」、近藤大介「台湾vs中国 謀略の100年史 なぜ中国共産党は台湾を支配したがるのか?」、黄文雄「ジェノサイドの中国史 中国人も知らない歴史のタブー」、山岡鉄秀「vs.中国(バーサス・チャイナ) 第三次世界大戦はすでに始まっている!」、篠原常一郎「中国が仕掛けるシン・共産主義革命工作」、井上和彦「封印された日本軍戦勝史」、掛谷英紀「学者の暴走」、江崎道朗「緒方竹虎と日本のインテリジェンス―情報なき国家は敗北する」
E.ルトワック「自滅する中国―なぜ世界帝国になれないのか」「中国4.0 暴発する中華帝国」「戦争にチャンスを与えよ」「日本4.0 国家戦略の新しいリアル」「ルトワックの日本改造論」「ラストエンペラー 習近平」
F. ディケーター「毛沢東の大飢饉:史上最も悲惨で破壊的な人災 1958-1962」「文化大革命」、R.D. エルドリッヂ「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」「危険な沖縄 親日米国人のホンネ警告(共著)」
K. ギルバート「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」「米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体」「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」
H.S. ストークス「大東亜戦争は日本が勝った」「世界は中国に対峙できる日本を望んでいる」「英国人記者だからわかった日本が世界から尊敬されている本当の理由」「英国人記者が見抜いた戦後史の正体」「戦争犯罪国はアメリカだった! 英国人ジャーナリストが明かす東京裁判70年の虚妄」・・・
いやはや、何というか、タイトルを追っただけで「お腹いっぱい、もう十分です、ご馳走さまでした」と言いたくなるほどのパンデミック。先日、地元の新興宗教(と言っても大正元年、1912年開基だから100年以上の歴史がある)「新明国上教会」を訪ねて色々資料を頂いたが、季刊誌にストークス著「世界に比類なき日本文化」が取り上げられていたのには驚いた。敗戦後に占領軍とアカに駆逐されてきた「日本らしさ、日本人らしさ」を取り戻そうという王政復古、令和維新、アンシャンレジームみたいな流れが強まってきた感じがする。
この流れを遡れば福田恒存や江藤淳、大宅壮一、高坂正堯、三島由紀夫あたりまで辿れそうだが、直近では小生が尊敬する加瀬英明先生などの奮闘努力が奏功したようである。Newsweek 2018/10/29「出版業界を席巻するケント・ギルバート現象の謎」から(同誌は当時はリベラル、今はアカモドキでそのうち自滅するだろう)。
<ギルバートは過去の「外タレ」時代から、日本社会の矛盾点を歯に衣着せず指摘するタイプではあった。だが、現在のような言論を開始したのは2013〜14年頃からだ。
ギルバート現象はいかなる事情で生まれたのか。彼の第2の人生が始まった背景には、日本の保守系論壇における2人の大物の存在があった。
「2013年10月に私が編集・刊行した『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)は、ケントの『転向』の大きなエポックメイキングだった。一時期低迷していた彼に、第2の出発点を準備できたと自負している。私は彼に『これからのあなたは芸能人ではなく文化人だ』と伝え、背中を押した」――そう話すのは、同書を手掛けたフリー編集者で実業家の植田剛彦(73)である。
植田には別の顔がある。出版社「自由社」の代表として、保守系市民団体「新しい歴史教科書をつくる会」が編纂した中学生向け教科書や、杉田水脈、藤岡信勝、倉山満といった保守系言論人の著書を多数刊行しているのだ。彼はこうも言う。「『不死鳥』刊行時のケントには理解不足な面があり、政治的発言を行う覚悟が不十分だった。だが、私が特攻隊についての英文資料を渡したり、勤勉なケント自身が勉強して理解を深めたことで、彼は完成していった」
加えてもう1人、「転向」に影響を与えた人物がいる。保守論壇の重鎮で外交評論家の加瀬英明(81)だ。90年代に植田がギルバートを引き合わせ、共著を出して以来の縁である。「長年、ケントに忍耐強く説いていった。彼は真面目なので、話を聞いてくれた。われわれがケントを変えたんだ」
加瀬は安倍政権とも関係が深い「日本会議」の代表委員や「つくる会」の顧問、歴史問題の否定を訴える「慰安婦の真実」国民運動や「南京事件の真実を検証する会」などの保守系市民団体の会長も務める。彼はこうも言う。
「バテレン(戦国時代のキリシタン)を改宗させたようなものだ。最初はストークスを10数年かけて『調教』したのだが、ケントはその次だった。最初はいずれも、慰安婦や南京の問題について、日本が(悪事を)やったと考えていたんだ」
ストークスは、フィナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズの東京支局長も歴任した知日派のイギリス人ジャーナリストだ。近年は靖国参拝を行ったり、加瀬との共著や『大東亜戦争は日本が勝った』といった著書を刊行するなど保守派寄りの姿勢が目立つ。
「高齢で体調がすぐれないストークスに代わって、最近のケントは著書を多く出して頑張っている。『転びバテレン』だからこそ、彼は自分でしっかり勉強をしているみたいだ」(加瀬)>
そして習近平・中共発狂の“後押し”もあって文教堂書店の「外交・国際関係」の棚を右派がほぼ占拠するに至ったわけだ。もっとも多くの書店は巨大な取次店(カネ貸しでもある)にとっては小売店(返品自由、仕入れリスクなしだからただの棚!)でしかなく、書店とともに「売れる本がいい本」であり、中身なんぞドーデモイイのが普通であるが・・・
ベストセラーのほとんどは一過性で、まずロングセラーにはならない。「学び」を目的にした読書なら初版から2、3年後に読んでも中身はちっとも古臭くなっていない。福翁の「学問のすゝめ」なんぞ明治のベストセラーだが、今でもロングセラーで人気がある。「人間は平等に生まれたわけじゃない、身分制が無くなったと言っても勉強しないと重い仕事に就けないよ、いい給料を稼げないぜ、国民が上を目指して努力しなければ国家は列強の後塵を拝する二流国、三流国になってしまうよ」という、ごく当たり前の話で、国民の発奮を促したわけだ。
先輩たちが読んで「良書だ、人生の指針になった」という教学(教養学問)系の本、特にロングセラーや古典を優先的に読んだ方がいいと思う(かじっただけでも周囲は一目を置く!)。疲れたら歴史小説とか随筆、ノンフィクションを読む。話題のベストセラーばかり読んでいる友人夫婦がいたが「人生を面白おかしく楽しく過ごせればいい」という Happy-Go-Lucky で、子供もつくらなかった。寂しくないのかなあ、次代にバトンを繋ぐのは大事ではないかと思うのだが・・・余計なお世話か。
国家を多少なりとも良い国にし、後人に引き渡す、それが国民の、あるいは生物の義務、天命だと思う人は、いずこの先進国でも減っているようである。80年も平時が続くと、行き過ぎたような個人主義や福祉の進展とともに人間は野性というか天命を軽視しがちになるのだろう。
温室のような環境に慣れ過ぎると本来の生命力や耐性が劣化する・・・五輪のように大規模な世界大会“大戦”は時々あった方が健康ではないか。人類は戦争で今の秩序を創った、次の秩序も戦争の中から生まれる、と考えるのは正論だろう。
ソ連は熱戦の前に「冷戦」という包囲戦、特に食糧不足で民から見放されて消滅した。今は“悪の帝国”中共の「国内矛盾による内戦危機を外戦に転化する」という暴発を抑え込むために中共包囲戦=冷戦を進める時だろう。
熱戦に備えつつ冷戦で締め付けていく・・・中共は軍事優先で民生は疎かになり、今年は豪州いじめの代償で石炭不足、電力不足で寒い冬を迎えようとしている。サイエンスポータル2021/10/21はこう報じている。
<中国東北部の黒竜江省で最大の石炭生産業者、竜煤鉱業集団はエネルギー需要の高まりに対応するため、四つの新しい炭鉱の建設を開始した。中国の発電は火力が約70%を占めている。北部では暖房シーズンには電力供給圧力が増す。最近、一部地域で停電し、工場の操業停止や家庭への影響が出たため、国は電力供給に全力を挙げている>
習はやることなすこと裏目に出る。冷戦下でやがては財政難になり、食糧不足から窮民革命に火が付き、中共政権は倒れる、自滅する・・・
あるいは一点突破、全面展開で台湾、日本に侵攻して勝利し、習近平・中共政権の求心力を高める可能性はあるが、日台はこれという資源のない山だらけの国(70~80%が山岳地帯)で奪えるものはあるのか。「勝利した」と言ってもロシア以外の世界中から総スカンを喰らうから経済的なメリットはないだろう。一時的に習近平は人民から称賛されても、人民のすきっ腹が改善されるわけではない。
習近平は毛沢東風の清く貧しく美しくの“清貧思想”に憧れているようだ。それなら一人で勝手に引き籠ればいいのに14億を道連れにしようとするから世界中から嫌われる。習を引きづり降ろしてまともな国にしようとする人材はいるのかどうか・・・経済が下降気味の今は「貧乏くじを引くだけ」と、火中の栗を拾う人材はいないようだ。
阿片戦争で頑張った林則徐は、イギリス軍を目前にして朝廷内で和平論が高まると「戦争挑発者」として罷免された。「大義とは私利私欲」、強者に従うという「事大主義」「長いものには巻かれよ」が支那人の初期設定なのだろうか。窮民革命、維新に期待したい。
・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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【Anne G. of Red Gables/382(2021/10/28/木】久し振りに文教堂書店を訪ねてみたら、「外交・国際関係」の書籍、それも「戦争前夜だ!」と危機感をあおるタイトルのものがずいぶん増えた印象だ。メモを取ろうと思ったがあまりにも多いので諦めた。
武漢発コロナ菌との戦争本も20~30冊並んでいたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、まあブームは終わった感じ。今度は北京発習近平菌との戦争に関心は移りつつあるようで、習近平が除菌されるまでの1、2年(?)は「中共叩くべし!」「目覚めよ日本!」系の本は売れ筋になると出版社は皮算用しているはずだ。直近を含めて近年発行されたその手の本には、例えば以下がある。
石平 「中国共産党 暗黒の百年史 なぜ日本は中国のカモなのか」「中国五千年の虚言史 なぜ中国人は嘘をつかずにいられないのか 」「石平の新解読・三国志 愚者と智者に学ぶ生き残りの法則」「なぜ論語は善なのに、儒教は悪なのか 日本と中韓 道徳格差の核心」「私はなぜ中国を捨てたのか」「なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか」「なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 脱中華の日本思想史」、宮崎正弘・石平「中国が台湾を侵略する日」
櫻井よしこ「赤い日本」「亡国の危機」、門田隆将「なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか」「新・階級闘争論 暴走するメディア・SNS」、杉山大志「脱炭素は嘘だらけ」、上念司「日本分断計画 中国共産党の仕掛ける保守分裂と選挙介入」、楊海英「独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで」、花田紀凱編集「習近平vs.櫻井よしこ」、山口敬之「中国に侵略されたアメリカ」、馬渕睦夫「ディープステート 世界を操るのは誰か」、青山繁晴「誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)」
福島香織「ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実」「習近平 文革2.0の恐怖支配が始まった」、近藤大介「台湾vs中国 謀略の100年史 なぜ中国共産党は台湾を支配したがるのか?」、黄文雄「ジェノサイドの中国史 中国人も知らない歴史のタブー」、山岡鉄秀「vs.中国(バーサス・チャイナ) 第三次世界大戦はすでに始まっている!」、篠原常一郎「中国が仕掛けるシン・共産主義革命工作」、井上和彦「封印された日本軍戦勝史」、掛谷英紀「学者の暴走」、江崎道朗「緒方竹虎と日本のインテリジェンス―情報なき国家は敗北する」
E.ルトワック「自滅する中国―なぜ世界帝国になれないのか」「中国4.0 暴発する中華帝国」「戦争にチャンスを与えよ」「日本4.0 国家戦略の新しいリアル」「ルトワックの日本改造論」「ラストエンペラー 習近平」
F. ディケーター「毛沢東の大飢饉:史上最も悲惨で破壊的な人災 1958-1962」「文化大革命」、R.D. エルドリッヂ「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」「危険な沖縄 親日米国人のホンネ警告(共著)」
K. ギルバート「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」「米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体」「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」
H.S. ストークス「大東亜戦争は日本が勝った」「世界は中国に対峙できる日本を望んでいる」「英国人記者だからわかった日本が世界から尊敬されている本当の理由」「英国人記者が見抜いた戦後史の正体」「戦争犯罪国はアメリカだった! 英国人ジャーナリストが明かす東京裁判70年の虚妄」・・・
いやはや、何というか、タイトルを追っただけで「お腹いっぱい、もう十分です、ご馳走さまでした」と言いたくなるほどのパンデミック。先日、地元の新興宗教(と言っても大正元年、1912年開基だから100年以上の歴史がある)「新明国上教会」を訪ねて色々資料を頂いたが、季刊誌にストークス著「世界に比類なき日本文化」が取り上げられていたのには驚いた。敗戦後に占領軍とアカに駆逐されてきた「日本らしさ、日本人らしさ」を取り戻そうという王政復古、令和維新、アンシャンレジームみたいな流れが強まってきた感じがする。
この流れを遡れば福田恒存や江藤淳、大宅壮一、高坂正堯、三島由紀夫あたりまで辿れそうだが、直近では小生が尊敬する加瀬英明先生などの奮闘努力が奏功したようである。Newsweek 2018/10/29「出版業界を席巻するケント・ギルバート現象の謎」から(同誌は当時はリベラル、今はアカモドキでそのうち自滅するだろう)。
<ギルバートは過去の「外タレ」時代から、日本社会の矛盾点を歯に衣着せず指摘するタイプではあった。だが、現在のような言論を開始したのは2013〜14年頃からだ。
ギルバート現象はいかなる事情で生まれたのか。彼の第2の人生が始まった背景には、日本の保守系論壇における2人の大物の存在があった。
「2013年10月に私が編集・刊行した『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)は、ケントの『転向』の大きなエポックメイキングだった。一時期低迷していた彼に、第2の出発点を準備できたと自負している。私は彼に『これからのあなたは芸能人ではなく文化人だ』と伝え、背中を押した」――そう話すのは、同書を手掛けたフリー編集者で実業家の植田剛彦(73)である。
植田には別の顔がある。出版社「自由社」の代表として、保守系市民団体「新しい歴史教科書をつくる会」が編纂した中学生向け教科書や、杉田水脈、藤岡信勝、倉山満といった保守系言論人の著書を多数刊行しているのだ。彼はこうも言う。「『不死鳥』刊行時のケントには理解不足な面があり、政治的発言を行う覚悟が不十分だった。だが、私が特攻隊についての英文資料を渡したり、勤勉なケント自身が勉強して理解を深めたことで、彼は完成していった」
加えてもう1人、「転向」に影響を与えた人物がいる。保守論壇の重鎮で外交評論家の加瀬英明(81)だ。90年代に植田がギルバートを引き合わせ、共著を出して以来の縁である。「長年、ケントに忍耐強く説いていった。彼は真面目なので、話を聞いてくれた。われわれがケントを変えたんだ」
加瀬は安倍政権とも関係が深い「日本会議」の代表委員や「つくる会」の顧問、歴史問題の否定を訴える「慰安婦の真実」国民運動や「南京事件の真実を検証する会」などの保守系市民団体の会長も務める。彼はこうも言う。
「バテレン(戦国時代のキリシタン)を改宗させたようなものだ。最初はストークスを10数年かけて『調教』したのだが、ケントはその次だった。最初はいずれも、慰安婦や南京の問題について、日本が(悪事を)やったと考えていたんだ」
ストークスは、フィナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズの東京支局長も歴任した知日派のイギリス人ジャーナリストだ。近年は靖国参拝を行ったり、加瀬との共著や『大東亜戦争は日本が勝った』といった著書を刊行するなど保守派寄りの姿勢が目立つ。
「高齢で体調がすぐれないストークスに代わって、最近のケントは著書を多く出して頑張っている。『転びバテレン』だからこそ、彼は自分でしっかり勉強をしているみたいだ」(加瀬)>
そして習近平・中共発狂の“後押し”もあって文教堂書店の「外交・国際関係」の棚を右派がほぼ占拠するに至ったわけだ。もっとも多くの書店は巨大な取次店(カネ貸しでもある)にとっては小売店(返品自由、仕入れリスクなしだからただの棚!)でしかなく、書店とともに「売れる本がいい本」であり、中身なんぞドーデモイイのが普通であるが・・・
ベストセラーのほとんどは一過性で、まずロングセラーにはならない。「学び」を目的にした読書なら初版から2、3年後に読んでも中身はちっとも古臭くなっていない。福翁の「学問のすゝめ」なんぞ明治のベストセラーだが、今でもロングセラーで人気がある。「人間は平等に生まれたわけじゃない、身分制が無くなったと言っても勉強しないと重い仕事に就けないよ、いい給料を稼げないぜ、国民が上を目指して努力しなければ国家は列強の後塵を拝する二流国、三流国になってしまうよ」という、ごく当たり前の話で、国民の発奮を促したわけだ。
先輩たちが読んで「良書だ、人生の指針になった」という教学(教養学問)系の本、特にロングセラーや古典を優先的に読んだ方がいいと思う(かじっただけでも周囲は一目を置く!)。疲れたら歴史小説とか随筆、ノンフィクションを読む。話題のベストセラーばかり読んでいる友人夫婦がいたが「人生を面白おかしく楽しく過ごせればいい」という Happy-Go-Lucky で、子供もつくらなかった。寂しくないのかなあ、次代にバトンを繋ぐのは大事ではないかと思うのだが・・・余計なお世話か。
国家を多少なりとも良い国にし、後人に引き渡す、それが国民の、あるいは生物の義務、天命だと思う人は、いずこの先進国でも減っているようである。80年も平時が続くと、行き過ぎたような個人主義や福祉の進展とともに人間は野性というか天命を軽視しがちになるのだろう。
温室のような環境に慣れ過ぎると本来の生命力や耐性が劣化する・・・五輪のように大規模な世界大会“大戦”は時々あった方が健康ではないか。人類は戦争で今の秩序を創った、次の秩序も戦争の中から生まれる、と考えるのは正論だろう。
ソ連は熱戦の前に「冷戦」という包囲戦、特に食糧不足で民から見放されて消滅した。今は“悪の帝国”中共の「国内矛盾による内戦危機を外戦に転化する」という暴発を抑え込むために中共包囲戦=冷戦を進める時だろう。
熱戦に備えつつ冷戦で締め付けていく・・・中共は軍事優先で民生は疎かになり、今年は豪州いじめの代償で石炭不足、電力不足で寒い冬を迎えようとしている。サイエンスポータル2021/10/21はこう報じている。
<中国東北部の黒竜江省で最大の石炭生産業者、竜煤鉱業集団はエネルギー需要の高まりに対応するため、四つの新しい炭鉱の建設を開始した。中国の発電は火力が約70%を占めている。北部では暖房シーズンには電力供給圧力が増す。最近、一部地域で停電し、工場の操業停止や家庭への影響が出たため、国は電力供給に全力を挙げている>
習はやることなすこと裏目に出る。冷戦下でやがては財政難になり、食糧不足から窮民革命に火が付き、中共政権は倒れる、自滅する・・・
あるいは一点突破、全面展開で台湾、日本に侵攻して勝利し、習近平・中共政権の求心力を高める可能性はあるが、日台はこれという資源のない山だらけの国(70~80%が山岳地帯)で奪えるものはあるのか。「勝利した」と言ってもロシア以外の世界中から総スカンを喰らうから経済的なメリットはないだろう。一時的に習近平は人民から称賛されても、人民のすきっ腹が改善されるわけではない。
習近平は毛沢東風の清く貧しく美しくの“清貧思想”に憧れているようだ。それなら一人で勝手に引き籠ればいいのに14億を道連れにしようとするから世界中から嫌われる。習を引きづり降ろしてまともな国にしようとする人材はいるのかどうか・・・経済が下降気味の今は「貧乏くじを引くだけ」と、火中の栗を拾う人材はいないようだ。
阿片戦争で頑張った林則徐は、イギリス軍を目前にして朝廷内で和平論が高まると「戦争挑発者」として罷免された。「大義とは私利私欲」、強者に従うという「事大主義」「長いものには巻かれよ」が支那人の初期設定なのだろうか。窮民革命、維新に期待したい。
・・・・・・・・・・・
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