2日前、初夏のような日差しで、
エレカシの野音で買ったTシャツをおろした。
なのに、今日は雪が降る夜!
なんてこったい!である。
個人でやっている仕事の収入の補填として始めた、深夜から始まるパートの仕事。
このパートの仕事で、私がやっていることが
全店舗(44店舗)の中で結果が良いということを店長が話してくれた。
私の主な仕事は、
釣りで用いられる「生き餌」と呼ばれるものの管理だ。
パートで入りたての頃は、
「ひょえー!」とゴム手袋しながらやっていたが、今は手荒れ防止のためにこそはめるものの、
絡まった生き餌同士を素手で解き、
「この子たちが…」と話し始めるくらいには
愛情を注いでいる。
釣り餌の一つとはいっても、
なんせ生き物だ。
毎日毎日接しているとやはりかわいく思え、
気持ちとしては家の猫たちと同じだ。
私の勤める店舗は、生き餌が景気良く、
バンバン数量多く売れていくところではない。
そうなると、一度入荷したものが、
長くお店に滞在することになるので、
その間生かしておかなくてはロスが多くなってしまう。
入りたての頃は、
「うちの店、ロス率高くて…」という話も
ピンと来ていなかった。
ただ、毎日、数百g単位でダメになっている生き餌と
数回した水槽掃除でトータルkg単位で脱走している生き餌に驚いた。
どうやったら死なせずに済むか。
どうやったら脱走しないか。
脱走した生き餌をうまく回収するにはどうすればいいか。
ただただ、そこだけを考えて、
思いついたことを実行して行った。
するにあたっては、
一応店長の許可を取りながらやった。
釣りはしない、
ど素人の突拍子もないアイデアを
歴代の店長たちは、一瞬時が止まったようになりながらもOKを出してくださった。
そうするうちに、水槽がきれいになってきて、生き餌たちの処分が少なくなってきた。
そうなると
「とりあえずやってみていいから!」と
生き餌に関することは事後報告でよくなった。
さらに、処分に回るはずの生き餌の活用法を思いつき、それもコツコツ続けて、
年間で数万円の売り上げになった。
全体の売り上げからすると微々たるものだけれど、それでも売り上げは売り上げだ。
そんなことを続けてもう少しで2年。
本社から
「全店舗に知らせたいから取り組みを報告して」という嬉しい知らせが来た。
今では、生き餌の発注担当者が、
発注量を見誤っても死なせることがないくらいだ。
行き餌を死なせないことは、もう当たり前。
売れなくて日にちが経っても、
いかにピチピチ丸々と太らせておくか、が
私にとっての課題になっている。
「パートの仕事に、そこまで入れ込むなんてすごいね」的なことを言われることがある。
日銭が必要でやるパートだろうと、
自分で選んだ仕事は全力でやりたいな、と思っている。
そうでないと、つまらない。
本気で試行錯誤することは何かにつながっていく、そんな気がしている。
明日は棚卸し。
生き餌たちの世話をするために、棚卸し前のひと仕事。
なんでも本気なほうが楽しい。