アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

栃木路を行くEF64 1000番台

2012-11-11 18:36:42 | 鉄道写真(EC)

突然約束がキャンセルになり、それならばとばかり目覚まし時計を3時半にセット、東北線を目指すことになった。ここのところ天気も周期的に変わり、関東では予想も立てやすいが、県境の山沿いに行くとやはり不安定なことが多いので、天気予報の「晴れ」を信じて早めの床に就くことにした。

翌朝、通いなれた東北道を北へ那須を目指す。夜空に目をやると、星が瞬き人工衛星まで見えるくらい澄んでいた。日の出とともに眩しい太陽が顔を出し、それとともに気持ちも高まってきた。この時期、8010レは運休で2レのみだけど、今日のこの光なら交流区間で狙えるという作戦はみごと的中して、幸先の良いスタートを切った。その後、色々ロケハンをしながら直流区間まで南下して、今度は貨物列車を狙うことにした。今日は、ネット情報ではEF64の国鉄色がこちら東北線に運用されているので、できれば東北線内で記録したいと考えていたからだ。午後のスジで、上下1本ずつ運用されているEF64であるが、下り列車は、この区間サイド光がやっとで列車の顔には光が入らないから苦労する。熟慮の結果、蒲須坂の鉄橋で撮影することにした。顔に光が入らないが、フィルム時代とは違って、あまりアンダーにならず写ってしまうから、今のデジタルは大したものだ。で、この後の本命の上り貨物列車は、果たして太陽が保ってくれるかどうか賭けをするようなもの。何せこの時期日没30分前にシャッターを切ることになり、太陽が遠方の山並みにかかるか、かからないかの時間だろうし、それよりも、地平線付近の雲にやられる可能性が高いからだ。案の定、列車通過までのしばらくの間、曇ってしまい、想定通りには行かないか?と半ば諦めて自動車の中でふて寝をしていたが、通過15分前くらいから後光が差し始め、「こ、これは・・・!」との思いで、一目散に撮影準備態勢をとり、その時を待った。その15分の間、光は強くなったり、また弱くなったりと繰り返し、一瞬雲に陰ると、あたりは真っ暗に感じるほど、露出が違ってくる。天にも祈る気持ちでこの15分を刻一刻と待つことの長かったこと!そしてみるみる太陽光はサイド光へ変化し、線路やバラストの影ができるほどまで、ギリギリ真横の光へと激変した。「今来い!」「今来てくれ~!!」と叫びたくなるくらい気持ちが限界に達しようとした時、ついに踏切が鳴りだし、その瞬間をベストで迎えることができた。

しかし、こうして後から写真にして観ると、もはや栃木路を走るロクヨンには「山男」としての風格はない。里線を軽々流して走っている余裕すら感じられるではないか。効率が先行して何でも有りの風潮の中、機関車ファンとしては、やはりロクヨンは山の中で撮りたいと思った次第である。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2012(H24)-11-10                     3050レ  EF64 1019         JR東日本/ 東北本線:片岡-矢板

                                           Nikon D4   Nikkor AF-S 70-200mm F.2.8G VR II