今日は、サントリーホールにて演奏された東京都交響楽団のプロムナードコンサートへ行ってきた。
都響の演奏会は今まで何度も聴く機会があったが、今日の指揮者である小林研一郎との組み合わせは聴いたことがない。小林研一郎(コバケン)と言えば、日本フィルであり、チェコ・フィルであって、完全にお互いの意思の疎通というものが感じられていたものだが、最近では、日本フィルの常任を降りたこともあって、国内の他のオケも積極的に振っているようだ。本日の都響しかり、読響もしかり・・
オケが変わっても、コバケンの音楽へのスタンスは変わってはいないようで少し安心した。相変わらず、情熱を持って音楽に向かい、時には感情を爆発する。これが、「炎のコバケン」と言われる由縁なのだが、いくつになってもこのスタイルは保っていて欲しい。前半のコンチェルトでは、Vnの三浦文彰を時にはリードし、伴奏を理想的にこなしていたように思う。そして後半のメインプロ、チャイコフスキーの第4だ。やはりコバケン自身、チャイコは十八番のようで、自己主張が激しく、またそれが曲とマッチしているから、少しも嫌味に聞こえないのが良い。どちらかと言えば、落ち着いたテンポで通していたが、オケの鳴りっぷりも素晴らしく感動ものだった。フィナーレのコーダでは、オケをアッチェランドであおりまくり、興奮した頂点で終結する解釈で、聴衆も大興奮のるつぼと化したのだ。終了後の各パートへの労いも相変わらずで、オケとの信頼感を感じ取ることが出来たように思う。客席に向かって一言二言しゃべった後、エグイくらいデフォルメされたブラームスのハンガリー舞曲の第5!もう最高だった。
第355回 プロムナードコンサート
メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」 OP26
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 OP64
チャイコフフスキー 交響曲第4番 ヘ短調 OP36
(アンコール)
ブラームス ハンガリー舞曲 第5番
指揮/小林研一郎
Vn/三浦文彰
東京都交響楽団