ローピン81の最後は、回送で上野に戻るシーンを一応掲載しておこう。
近頃の鉄チャンの中には、一つの列車を車で追いかけ、何回撮ったとか言って撮影回数を競い、回数が多い方が偉いような解釈をされる方々をお見受けする。撮影回数で写真の価値観や満足感を得られる方々はそれでいいと思うが、アントンKはそれではとても満足できないし、経験上回数を撮影出来ても、それなりの写真しか撮れなかった。これは年齢からくるものも含めた体験や経験によるものだと思うが、ある程度カメラを向ける撮影地を熟慮して、どう撮りたいかと自分に問う時間は少なくとも欲しいと思っている。
今回掲載する馬牛沼も近年随分と有名な撮影地になってしまった。岩手からの帰り道、宮城県で一度撮影しようと考え、東北道を下車、国道を南下する。南へ行くほど雲が広がる予報だったこともあるが、確かに岩手より雲が厚く不安定な空模様に感じられた。先日、知人に俯瞰場所をご教示頂いたこともあり、自然とハンドルを右へ切り馬牛沼ポイントへ。それにしても、撮影者の多さは想像以上で、定番と言えるポイントは三脚の林が出来上がっていた。ザッと200人くらいだろうか。その人数に圧倒されるが、至って雰囲気は和やかであり、当初俯瞰を考えていたアントンKも、結局この群衆の一番線路寄りに構えることにした。しかし、パーイチ牽引のカシオペアとは言え、どうしてこんなにファンが集まるのかが甚だ疑問。営業していない回送列車で、しかもヘッドマークは付かないのだ。お前さんも同じだろうと言われたらそれまでだが、今回じっくりカシオペアを撮ってみて思ったのは、やはりE26系にはEF510のシルバー専用機(509/510)がベストマッチではないかということ。これらの機関車はすでに貨物会社に転属してしまい、結果論とはなるが、パーイチはやはり国鉄型電機。客車は24系や14系牽引が綺麗に治まっていると思えるのだ。
ここ越河は、白石から上り坂が何キロも続く難所。ED71やED75の重連もこの勾配にあえぎ、現在の金太郎ことEH500でさえ、かなりの唸り声を上げながら上ってくる。SLのような煙こそないものの、電機特有のモーター音、それもかなり大胆なうめき音が味わえるポイントで、昔からアントンKもお気に入りポイントの一つだが、この日のパーイチも凄かった。回送とはいえ、E26系フル編成はかなり重いのだろう。モーター音全開で姿を現した時には、久々に興奮してしまった。
2016-09 回9010レ EF8181 E26系 JR東日本/東北本線: