このダイヤ改正を境に引退した車輛の一つに189系特急型電車がある。1980年代前半、老朽化した181系電車の後継として生まれた183系1000番台。その派生形式として誕生したのが189系だった。183系が上越線の「とき」なら、この189系はもちろん碓氷峠を越える特急「あさま」用だった。アントンKは、その衰退と誕生をリアルタイムで目撃した年代でもあることから、183系や189系というと思い出もそれなりに多い。
もちろん碓氷線が廃止されてから、もう20年以上も経ってしまったから、昨今の189系といってもあまり食指は動かなかったことも事実で、6両編成に短縮され、短区間をコトコトと走る姿にはかつての栄光を感じることはできなかったのだ。豊田電車区に配置されていた189系が消滅し、そして最後の一編成である長野の189系が今回引退、いよいよ国鉄型特急電車の消滅が現実味を帯びてきてしまった。せめて最後のお別れに出向きたいと思うが、果たして叶うのだろうか・・
掲載写真は、晩年の信越特急「あさま」。横川まで峠を下り、いよいよフルノッチで加速していく怒涛の雄姿。気合を入れてバケペン一発勝負で挑んだ1枚。
1994-10-15 3010M 特急「あさま」 JR東日本/信越本線:西松井田付近