このお盆休みの時期、決まって東北沿線に撮影に出ていたことを毎年思い出している。それは、東北・上信越線ともに、多客臨が目一杯増便され、機関車がフル活動する時期でもあったからだ。まだ、EF57が現役だった1975年(昭和50年)、初めて夏臨を狙いに沿線に繰り出し、それから毎年このタイミングで出かけるのがルーティーンとなっていた。機関車運用まで把握することはなく、ただ時刻表を頼りに、線路端で一日列車を待っていた遠い日が懐かしい。もちろん暑くて大変だった記憶は残っているが、今のように列車に乗れば快適な環境であるはずもなく、コンビニすらない時代、いったいどうやって一日過ごしたのか、あまり覚えていないのだ。缶ジュースと駅の立ち食いそばが主な食事だったように思い出せる。若気の至りなのか、とても今では考えも及ばないが、そんな些細な出来事も懐かしく感じている。その後、ゴーナナが消滅し、年々多客臨の減少とともに、出向く回数も減ってしまった訳だが、何かと撮影の合間で立ち寄った、大宮駅での撮影が今でも印象的なのである。
掲載写真は、そんな大宮駅6番線ホームから撮影したもの。ここは、東北線上り列車が中線1本開けて4番線に入り、撮影がしやすかったのだ。沿線での撮影に疲れて心が折れそうになった時、ここに踏みとどまってシャッターを切っていた。この画像を見るとそんな想いが蘇ってくる。福島からの普通列車122ㇾ。この日もゴーナナではなく青のゴハチけん引。白い警戒色が遠く見えた時のガックリ感は今でも忘れない。この後、とんでもないゴハチブームが到来するなんて、夢にも思わなかったのである。
1975-08-19 122ㇾ EF58109 東北本線:大宮駅