鉄道関係の情報ネットサイトで、秩父鉄道の古い電機が近々引退すると告げていた。
先日訪問した三岐鉄道もそうだが、私鉄の電気機関車の中でもデッキが付いているものが未だに存在していて元気に活躍している。昔は全くといっていいほど、私鉄電機には食指が動かなかったアントンKだが、近年心境の変化もありカメラを向けることが増えてきた。デッキ付きとは言っても、それ自体は可愛いもので、国鉄時代に見てきたEF57を頂点とするデッキ付き電機に比べれば、魅力的とは言い難たく撮影するために出向くとこは稀だったのだ。
ここでは、やはり昔訪れて旧型国電とともに撮影に興じた飯田線から掲載しておく。ご存知のように、飯田線は単線で200kmあまりもある長いローカル線だが、かつてローカル線ではよく見られたタブレット交換が行われていた。対抗列車を退避するため、しばらく停車するEF1016の牽くローカル貨物列車。反対の列車を行かして暫くすると、駅乗務員さんがタブレットを持って現れた。EF10の運転室から大事そうにタブレットを受け取る機関士さん。当時のアントンKの想いまでは記憶にないが、今こうして改めると、人と人が鉄道を手動で動かしている、昭和のいい意味での緩さが感じられて懐かしい。現代の鉄道は、デジタルに覆われてしまい、スマートで便利、安全だが、冷たさやエゴを感じてしまう。人間の醸し出す、温もり、ふれあい、そして旅情とは遠く離れてしまったようだ。そう思うとつくづく世の中の変化を思い知らされるのである。
同列車退避中の一コマ。時間がゆっくり流れていることがわかる。EF10一次型のデッキ。正面貫通扉から、運転室に入るためか、この角度でみるとデッキ部分が機関車の印象を裏付けることが理解できる。
1976-07-20 268ㇾ EF1016 飯田線:東上
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