その日は、秋田まで行くキハ181系特急「つばさ」の最終日だった。翌日から485系の特急「つばさ」へとスイッチするため、都内での気動車特急も見納めとなる。アントンKは友人と二人、朝から線路端でカメラを構えていた。
先日、高崎の機関車が現役を引退していったが、あの2か月にも及ぶお別れ運転時のファンのフィーバー振りは、想定はしていたものの凄いものがあった。好きな車両が引退する、今まで走っていた車両が走らなくなる、といった情報は、鉄道ファンを熱くするらしい。記録に少しでも留めておこうとカメラを向けるのは、写真の原点の一つだろうが、何事も度が過ぎると単なる趣味では片づけられなくなるのだ。現代では、誰もがスマートフォンを持ち、気軽に撮影が出来る時代だから、昔のこととは単純に比較できないが、アントンKがまだ鉄道写真を始めた時代は、どこかのんびりゆっくり撮影を楽しめたことを思い出している。
掲載写真は、「つばさ」の最終日の西日暮里の画像。好天に恵まれ下る2本のキハ181系の撮影を楽しんだが、その直前にやってきたEF58 61号機の単機回送。沿線の柵も低くチビッ子も柵に座って待っていたが、対岸側のファンも含めて、和気あいあいの空気感が感じ取れる。哀しいかな現代では忘れてしまった出会えない光景ではなかろうか。
1975-11-24 回1940 EF58 61 西日暮里付近にて
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