まだ貨物取扱駅が全国に存在し、電車に乗れば必ずと言っていいほど貨物列車に出会えた時代。それが国鉄時代だったように思う。貨車は二軸が当たり前で、タキ専用列車はまだ珍しかった記憶だ。もちろんコンテナ編成で走る特急貨物列車にも出会ったが、圧倒的に黒いイメージの貨物列車がアントンKには印象深い。
今や旅客列車に機関車の要らない時代に入っていて、ここ数年でまた鉄道のシーンが変わっていくのだろう。鉄道で旅するという目的が昔とは変わってしまい、新しい価値観の創造によって次々と新たな列車が生まれ、そして伝統ある列車が消えていった。こういった流れが今後も繰り返されて時代は進んでいくのだろう。アントンKには、なかなかシンドイものだ。
半世紀近く前に撮影した、EF15の貨物列車を掲載してみる。中央線快速に乗るため、ホームで電車入線を待つ間の1コマと思われる。現代の駅構内を見ると、当時は何て長閑な雰囲気が漂っているのか。ラッシュが始まる前の午後のワンシーン。黄色い点状ブロックやホームドアはもちろん無く、ゆっくり入線してきた黒い貨物列車を眺めている様子。都内であっても、今より時間がゆっくり流れているように感じるのはどうしてなのか。シルバーシート表示も懐かしい。
1976-06-06 3485レ EF15 69 [八] 立川にて
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