あれだけ若きアントンKを夢中にさせてくれたED16のお別れの日。
今から考えてみると、初めてED16に出会った日から約8年間でこの日を迎えている。長いようでとても短く感じるのはどうしてだろう。このED16という電機は、少なくともアントンKの趣味人生、鉄道写真の履歴簿には、欠かせない機関車となっている。アクセスが当時はしやすく感じて、春夏秋冬のED16を撮影しようと躍起になったこともあるが、残された画像は、今見返すとどれも同じように感じてしまう。とにかく現場にを第一に出かけ、そこでイメージするのは、どこか演奏会でこれから音楽を鑑賞する時とダブって映る。この指揮者がこの楽曲を、とイメージするより、やはり自分の耳で聴くことが一番であり会場へと足を運ぶ。そこで感じた一瞬こそアントンKが最大に求めるもの。多々下準備のあと、現地に出向き、想い通りの撮影ができるのは僅かだろう。が、その僅かを求めて何度も出向くことこそ、望むところであり、これはロマンだろうと思っている。
都内から12系客車を牽いて、青梅線内を名残惜しそうに走るED16の姿はどこか誇らしく、イベント列車であるとはいえ違和感は無かった。いつかは客車を牽いている姿を見てみたいと当時は思っていたが、それが引退の日になるとは悲しいことだ。実際にはこの日の数日前に、某テレビ局の団体列車が運転され、その時にもED16が12系をけん引したのだが、これだけ時間が経ってしまうと同じことのように思えてしまう。掲載写真は、古里駅の中線にて出発を待つ同列車。左右のホームには、溢れんばかりのファンの姿があるが、35年以上も時間が経った今見ると、まだまだ微笑ましく見えてしまう。
1983-03-26 9544ㇾ ED1610 青梅線:古里駅にて
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