その年の撮り納めをすべく、東海道から関西線、紀勢線を廻ってラストにここ名古屋まで戻ってきた。EF58の牽く荷物列車をバルブ撮影して〆ようという魂胆だった。当時はすでにゴハチは下関へ集中配置され、ある程度決まった機番しか稼働していなかったように思う。何度かトライして、ようやく100番という綺麗なゴハチの登場となった。
蒸気暖房のゴハチは、冬季に機体から白い蒸気を出して走行するシーンを見たものだが、機関車交換時、あるいは客車に連結する前には、まるで爆発したかのように蒸気を空高く噴射する。掲載写真はちょうどそんなシーンの1コマ。大みそかの夜空に立ち上がる蒸気を見て、「俺はまだまだ走れるぞっ!」と我々に語りかけているようにしか思えず、胸が熱くなったことを思い出してしまう。
数か月後、現実に電気暖房のEF62に道を譲り、こんなシーンも永遠に見られなくなってしまった。
1983-12-31 荷30ㇾ EF58100 東海道本線:名古屋にて
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