アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

発車前のひと時に酔ったあの頃・・

2020-03-04 19:00:00 | 国鉄時代(カラー)

3月に入り、世の中落ち着かないうす気味の悪い雰囲気が漂っている。新型ウィルスが不気味に漂い広がりを見せているからだ。アントンKも、こればかりは他人ごとでは済まされず外出にも気を使って行動している。こんな経験こそ無かったこと。当然仕事にも大きく影響してしまうし、演奏会だって次々キャンセルになっている。とにかく可能な限り早く終息に向かって欲しいのだが・・・

言わずと知れたゴハチ重連で走る荷物列車、荷35ㇾ。名古屋まで重連運転となるが、夕方の発車だったから、日の長い季節でないと撮影には向かなかった。当時の事情もあり、一番西での撮影は根府川付近、最も撮影回数が多いのは、首都圏内ということになる。今思えば、発想も貧困でどうにも情けないのだが、この時代に生きて来られたことだけでも有難いと考えることにしている。

掲載写真は、品川駅で機回しをしていよいよ編成を組む直前のEF58の表情。すでにゴハチ同士手を組み、パンタグラフを全て上げながら入れ替えをする姿には誇りと自信を感じたもの。この日は、139号機(宮原区)と25号機(浜松区)の重連で、次位の25号機からSGが勢いよく吹き上がった。何気ない日常だが、その時間こそが宝物だったことに気づかされる。

1978-03-29  荷35ㇾ EF5825+139      東海道本線:品川にて

 


憧れのEF57!雨の発車を拝む

2020-03-03 16:00:00 | 国鉄時代(カラー)

もう撮影していたことを忘れていた写真の発掘が今は楽しい。同時に近年撮影した画像も忘れているのは、気持ちがどこか入っていない証拠なのだろう。印象は極端に少ない。そこへいくと、昔撮影した写真には、その中から新しい発見さえもあり、当時気にも留めなかったものが偶然写っていて嬉しくもあるのだ。腕は今にもまして未熟だが、ストレートな気持ちがファインダーから溢れ、こうして眺めると忘れてしまった自分自身が蘇るような錯覚を感じる。

夕立のごとく一気に暗くなった大宮駅4番ホーム。そこへ減光しながらゴーナナの客車列車が入線してきた。何度も何度もEF57に会いに行ったが、こうして目の前で入線~発車を見届けることは珍しかった。大粒の雨が降り出したが、お構いなしにホーム先端へ移動し去りゆく後ろ姿を近影してみた。本当に大きなパンタグラフが前に突き出たフォルムは、力強くカッコ良かった。この角度はEF58よりも良く思える。釣り掛けモーターの低く図太い音に身震いし、その姿をずっと見送ったことは生涯忘れないだろう。

1975-10-18   荷48ㇾ EF57 7         東北本線:大宮駅にて


団体輸送の立役車?!~EF58の活躍

2020-03-02 19:00:00 | 国鉄時代(カラー)

EF57という電機に魅了され、本格的に鉄道写真の世界を知ったアントンKではあるが、当時を思えば、鉄道の事情やその撮影のことは、何も知らず解らずの状態であり、同じ学校の級友とともに切磋琢磨していった思い出が蘇ってくる。当時の級友は今も元気でいるだろうか・・もしすれ違っても、お互い全くの別人になり判らないかも。ちょっとそれでは寂しいものだ。

東北方面で朝からゴーナナを狙った帰り道、東京駅でEF58の牽くお座敷列車を目にしたので、立ち寄った時の一コマ。

「トーサンバン、団体列車接近!」

構内にけたたましい声で接近を知らせる放送が入り、EF58が近づいてきた。当時から大好きだった81系のお座敷列車6両編成。沼津区の客車だ。憧れのグリーンマーク、そして帯。車内を覗けば畳敷きにお膳がいくつも並んでいた。これから移動しながら宴会で盛り上がるのだろうと思うと羨ましくなったもの。いつかお座敷列車で自分も旅したいと思いながら、叶わぬ夢となった。嬉しそうに乗り込む乗客を横目で見ながら、ゴハチや客車に興味が注がれた遠い日。汽笛とともに発車するゴハチにエールを送る。あれからもうすぐ半世紀、とてつもない時間が経ってしまった。

1975-11-01  8113ㇾ EF58158    ヌマ座 東海道本線:東京駅13番線ホーム