杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ロラックスおじさんの秘密の種 

2013年03月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2012年10月6日公開 アメリカ 86分

少年テッド(ザック・エフロン)の住む街は、すべてが人工でプラスチック。ある日、テッドは憧れの女子高生オードリー(テイラー・スウィフト)が見たがっている本物の木をプレゼントしようと決意する。おばあちゃんから、かつての緑いっぱいの街を知るという謎の老人ワンスラーのことを教えてもらい街の外に一人で住むという彼を訪ねて行くと、豊かな色とりどりの木が生え、可愛い動物たちが仲良く暮らすかつての街と、森を守る不思議な住人・ロラックスおじさんの話を聞かされる。本物の木を得るには、ロラックスおじさん(ダニー・デヴィート)が戻ってくることが必要で、そのために、ワンスラーはテッドにひと粒の種を町の中心にまくように言う。しかし、街の大金持ち・オヘア(ロブ・リッグル)もその種を狙っていた!!


環境破壊の進んだ街に住む、本物の木を見たことがない少年テッドが、緑あふれる世界の再生のために奮闘するファンタジー&ミュージカル・CGアニメで、原作はセオドア“ドクター・スース”ガイゼルの児童書『The Lorax』です。かなり有名なお話だそうですが・・・知らなかった

映画は原作の雰囲気を壊さず、そのイメージを伝えようと工夫されているそうです。
ふわふわの葉だか花だかを生やしたカラフルな木の何とポップでキュートなことでしょう。ハミング・フィッシュ、スウォミー・スワン、クマ?のルーやピップスクィークといった森の仲間たちのなんと愛らしいことでしょう

ちょっととぼけたキャラたちの織りなす森の生活は豊かで楽しく平和です。ところがワンスラーがロラックスおじさんとの約束を破って木を切り倒し始めると、森は失われ大気は汚染されヘドロで川は汚れ、遂には動物たちも住めなくなってしまいます。そのあまりに殺伐とした風景に声を失ってしまいます。人間の傲慢さをロラックスおじさんはただじっと悲しげに見ていましたが、切り倒す木が一本も無くなって初めてワンスラーは自分のしたことの重大さに気付きます。しかし時既に遅くロラックスおじさんも森の仲間たちもワンスラーの前から去っていきました。

原作ではワンスラーは緑の手しか出て来ないそうですが、映画ではその青年期と老年期を創造しています。元は優しい青年が、金儲け(と親孝行?)に走って環境破壊の元凶になってしまうストーリーは文明の来し方行く末を見ているようです

テッドが本物の木を手に入れたいと思ったのは好きな子のためといういささか不純な動機でしたが、ワンスラーの話を聞いて後の勇気ある行動は称賛に値します。彼のおばあちゃんのエネルギッシュな行動力も頼もしいのやがて街の人々も現実に目を向け、未来のために為すべきことを悟ります。何もしなければ何も生まれないそんなメッセージが込められた子供と一緒に楽しく学べるエコを考える作品です。

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