田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

表情<かお>

2019年04月01日 | 日記
ここ数年…10年ぐらいだろうか、
ずっと考えていたことがある。
考えていたというか、悩んでいた。
悩んでいたというか、決めあぐねていた。
決めあぐねていたのは解決策が見出せなかったから。
解決策というか、着地点といったほうが正しいかな。
何の着地点か?
それは自分の在り方に着いての着地点。

役者としての自分、
素の自分、
四十過ぎてから音楽活動を始めた自分、

生活とか現実的なこととか考えるべきことはたくさんあるけど、
悩んでいたのは私生活以外での自分の存在感についてだった。
だからこれは素の自分としてのプライベートな悩みではなく、
役者としての自分、音楽をする自分についての悩み。
芝居と音楽のバランスの話ではなく、
芝居と音楽をしている田中悟のあり方についての悩みだ。

難しく考えずに自然な流れの中で生きていけるならそれに越したことはないけど、
どうしても考え込んでしまう性分。
単に自意識過剰なだけかも知れない。
とは言え自分としては芝居や音楽をしているわりに寧ろ自意識が足りない気がするのだが、どうだろう?
自意識云々はどうあれ人間は日々変化していく動物なので、
役者として人生の節々で客観的な微調整なり再構築を余儀なくされるのは事実だ。
この10年で一番顕著に変化したこと、
それは、肉体。

贅沢な話、あるいは嫌味に取られてしまうかも知れないが、
役者として長年抱え続けている僕の悩みは、
常に実年齢よりも若く見られることである。
(※プライベートでもこれが悩みの種だがプライベートでは諦めた)
自分の目には年相応に見えている。
鏡の前に立ったり、写真や動画を見るのがすごく苦手なので、
つい現実の自分の姿に目を背けてしまうけど、
どこからどう見ても、もう充分にくたびれた中年の姿、顔をしているはず。
五十路の一歩手前なんである。
しかし常に若々しい役がくる。

「なぜだか若い役がくる。だから何がなんでも若作りの努力をしなければらない」

これが苦しかった。
苦しかったんだとやっと気付いた。
いや、気付いていたけど、それを認めちゃ駄目だと今までずっと自分に言い聞かせていた。
「仕事やからしんどいとか、苦しいって言っちゃだめ」だと。
これは自分自身による勝手な呪縛でしかなかったのに、
それが役者としての責任なんだと思い込んでいた。
(※実際はいつでもしんどいオーラ駄々漏れやけど)

もう開放してあげよう。

これ以上やると本当に壊れてしまう。

年相応でいよう。

今朝起きた時、なぜかそう強く思ったのでした。
強く思ったけど心はとても軽くなったのでした。





写真は3/29のライブ当日のもの。
出掛ける前に自分で散髪して自宅で自撮。
自意識過剰やん、めっちゃ過剰やん、超過剰やん。
恥ずかしいけど僕のSNSは僕の顔だらけ。
でもこれは営業努力です。
営業努力のつもりなら、まったく努力が足りてません。
営業マン、マネージャーとしては-98点ぐらいでしょうね。


無理に若作りはせず、自然に老けていくと決めた。
でもそう思うことで気分が楽になり、
脳やら神経伝達物質に変化が生じて活性酸素が中和されたりして、
結果的にもしかしたらまた若返る危険性もあります。(危険性?)
もしそんな僕を見かけたら笑ってください。
おっさんやと思ったら、おっさん頑張ってると思って笑ってください。

面白いって良いことです。



コメント
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