7日に開かれた福井県原子力安全専門委員会は、
委員から厳しい質問や指摘があったと傍聴した市民のかたが
言っていた。
朝日新聞と日刊県民福井の記事から
http://digital.asahi.com/articles/ASH573DR3H57PGJB002.html
福井)高浜の安全性に疑問相次ぐ 県原子力安全専門委
県原子力安全専門委員会(中川英之委員長)が7日開かれ、関西電力の美浜、大飯、高浜の各発電所の安全性向上対策の実施状況などを議論した。原子力規制委員会の審査に合格した高浜3、4号機の安全性などについては委員から疑問が相次ぎ、引き続き審査を継続することになった。
関電は各原発で計画していた免震事務棟とは別に、耐震構造の「緊急時対策所」の運用を2017年度内に始めることや、東京電力福島第一原発事故の「吉田調書」を踏まえた本店対策本部の支援強化などを報告した。
田島俊彦委員(県立大名誉教授)は、高浜3、4号機の基準地震動が700ガルとされたことに対し、「いろいろな断層を調べたから大丈夫というのでは甘い。国内では4千ガルの地震も起きており、慎重に対応すべきだ」などと追及した。別の委員は福島の事故の反省を踏まえ、事故時の情報共有について「不必要な情報を流さないことも必要」と指摘した。
終了後、中川委員長は「我々は再稼働を目的にしているのではなく、工学的に安全性が確保されているかどうかを調べるのが基本だ」と述べ、現地調査を含めて引き続き審議する意向を示した。(堀川敬部)
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2015050802000205.html
「安全とは言っていない」 高浜原発3、4号機
県専門委員長 「一つ一つ確認」
再稼働の前提となる新規制基準に適合した関西電力高浜原発3、4号機(高浜町)について、県原子力安全専門委員会の中川英之委員長は七日、「(自分は)安全とは言っていない」と述べ、今後、残りの審査状況や現場確認を通して「一つ一つ確認する」と強調した。 (西尾述志)
県庁で開かれた専門委の後、記者団に語った。高浜3、4号機は二月に新基準に適合し、三月の専門委の後、中川委員長は書類上で適合した点を「問題ない」と発言。これに対し「いろんなところからお叱りを受けた」といい、「前回は(新基準適合を意味する)設置変更許可に対し、是非を述べただけ」と理解を求めた。
さらに「(残る審査の)工事計画や保安規定の認可をもって、内容が具体化する。具体化されなければ、設置変更の許可も無意味になる」と言い切った。また「専門委は再稼働が目的(の組織)ではない。工学的な安全性が確保されているかどうかが基本」と立ち位置を説明した。
この日の専門委で、委員の意見は多岐にわたった。中川委員長は「現時点で専門委として結論を出す必要はない」と前置きした上で「まとめを出すなら、意見が一致するところで出すと思う。一致しないところは一致しないでいいと思う」との見解も示した。
福井地裁が高浜3、4号機の再稼働差し止めの仮処分を出した点は「専門委の性質上、コメントしない。ただ、科学技術的な内容が含まれ、個別の質問があれば答える」と話した。
専門委は原発について独立的、専門的な立場から技術的な評価や検討を行い、県に助言する専門家組織。西川一誠知事は高浜3、4号機の再稼働に向けた地元同意の判断材料の一つに専門委の助言を挙げている。