北陸地方の梅雨明けは、まだだというのに
わたしは、すでに夏バテ状態である。
ボロボロ、フラフラ、ヘニャヘニャのまま、
昼頃、ドラッグストアへ買い物に出かけ、
車のキーをポケットにしまおうとした・・・
えっ? ポケットがない?
なんのことはない・・・服が裏返しだったのだ。
オバハンに怖いもんは、何一つない・・・
店の前で、ちゃんと着なおしたのである。
で、ドラッグストアのなかで、知り合いに合った。
「あら? 今大地さん、めっちゃ元気そうやない!」
「いやぁ・・・もうボロボロやでぇ・・・」
「〇〇さんも、言うとったでぇ。
今大地さんは、ホンマ元気やって。」
最近、ひさしぶりにかおをあわせる友人・知人が
こぞって「元気そうやんか!」
と、声をかけてくれる。
無理に元気そうに見せようとは、思っていないのに
なぜか・・・わたしは元気そうに見えるようだ。
これは、いいことなのか・・・
いいこといなんだろうな・・・きっと。
そう言われるたび、思い出す句がある。
奥の細道、芭蕉の
「象潟や 雨に西施が ねぶの花」だ。
古文の先生が、句の説明より
いかに、西施が絶世の美女だったか! を
力説してくれたので忘れられない句になったのだ。
美人は、病の時の辛そうな顔ですら美しい・・・
「ハ~・・・」と、ため息をついた顔が
ことのほか美しかったらしい。
女たちが、いくら西施をまねて
辛そうにため息をついても、ブサイクはブサイクのままなのだ!
と、唾を飛ばしながら熱く語ったのである。
チッ! きたねえな・・・唾が飛んでくるやんか!
で、その先生と目があってしまった・・・そのとき、
そこのブサイク、わかったか?
と、言われているように感じたわたしは
やっぱ・・・ブサイク・・・
「憂い」とか「儚げ」とかいう言葉は
わたしの辞書には載っていないのだ。
生まれてこの方、「君を守ってあげたい」と
言われたこともない。
・・・えっと・・・何の話だったっけ?
ああ・・・わたしがめっちゃ元気に見える!
話だったね・・・
元気に見えるだけでも、儲けもんや!
な~んて思うわたしは、きっとドヤ顔・・・