あんなぁ・・・仲哀天皇さんが怒っとるやで、きっと。
2日の宵宮もせんうちに、祭りするなんて・・・
午前中の雨を見ながら、タミヨさんがつぶやく。
仲哀天皇さんはな、優しいひとで、
戦やら勝負ごとも嫌いやったんや。
そやから、氣比さんで相撲のある日は、哀しゅうて
必ず雨が降ったんや。
そういえば、うちらが子どものころは
氣比さんの真ん中に、土俵があった。
祭りの時には、その土俵のとこで
書生さんみたいなお兄さんが、
黒板片手に、えらい小難しい話をしてたり、
ガマの油売りのおっちゃんが、
講釈をたれていたっけ・・・
うちも、そのおっちゃんに言われて土俵に上がって
腕を刀でスーっと切られ、ガマの油をちょいと塗られた。
刀で切られても、ちょっともいとないし、
ガマの油を塗られたら、血のりもきれいになる。
香具師の手先か? それともサクラ?
にされたんやろけど、駄賃はもらえんかった。
台湾バナナのたたき売りや、
サーカスも来ていた時代が、ちょっとなつかしい。