2008年5月7日(水曜日)
6日の朝日新聞の社説は、
【地球の温暖化―「炭素の夏」に国境はない】
風力発電に関していろいろと資料や本を読み、
現時点でわたしが理解したのは、
☆地球が温暖化したからCO₂の排出量が増えたということ
☆そして風力発電の導入は、今以上に石油・石炭などの化石燃料を
大幅に増やすことにつながるということ
まだまだ、わたし自身の言葉で論理的に説明できるには
程遠い状態なので、(理数系の頭脳を持ち合わせていない!)
これからも勉強が続きます。
数式には、微分・積分がでてくるもんですから・・・
40年ぶりに、恐怖の数学Ⅲに遭遇です。
サイン・コサイン・タンゼントなんかめじゃないぐらい
理解できない・・・(涙)
さて、朝日の社説に出てくるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)
昨年2月に発表された第4次報告書をもとにしたもの。
環境省のホームページに載っている同じく2月2日に出された
《気候の安定化に向けて直ちに行動を!
- 科学者からの国民への緊急メッセージ -》
には、この第4次報告書を元に次のように書かれています。
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message_main.html
3) このままの排出の継続は危機的状況を生む
温暖化が進行すると、地球の気候の不安定さが大きくなり、
異常気象の頻度が増加する。
IPCC で検討した将来予測のうち、引き続き化石燃料に依存しつつ、
高い経済成長を目指す社会が続くならば、今世紀末には、
平均気温の上昇は、4.0℃(2.4~6.4℃)に達すると予測されている。
21 世紀中に大規模かつ急激な変化が起こる可能性はかなり低いものの、
温暖化の進行によって、大西洋の深層循環が弱まる可能性がかなり高い。
さらに、多くの研究によると、気候変化がさらなる温室効果ガスの
排出を招くという悪循環が生じることも示唆されている。
また、このような温暖な気候が数千年続くと、
グリーンランドの氷は最終的には消滅してしまい
海面水位を7m 上昇させるだろう。
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しかし、IPCCの報告書によるこの数字はどうも欄外の数字であって
諸外国では、1.8~4.0℃が正式な数字として公表されていると
言われています。
国民に危機感をあおるためには、大きい数字を示しておかなければ
すぐに、まっいっか・・・となってしまうのを
危惧してのことなのかもしれませんが・・・
そういう意味では、社会に警鐘の朝日新聞の社説なんでしょう。
マスコミも加勢しての
お国を挙げての温暖化ストップ作戦に、「温暖化」は仮想敵? と
思ってしまうわたしです。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1
人はみな息をしている。
動物も植物も微生物も呼吸する。
こうして出る二酸化炭素(CO2)の量はどのくらいか。
ノーベル平和賞を去年受けた
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の科学者たちは、
その見積もりを報告書に載せている。
それによると、陸上の生物界が大気に吐き出す
「自然の息」は炭素の量で年間約1200億トン。
一方、現代文明が石油や石炭などを燃やすことで
出す量はその5~6%ほどにすぎない。
《ゆがむCO2の収支 》
これなら、いまの暮らしを続けても大丈夫だ。
そう思ってはいけない。
自然の息は、それにほぼ見合う量が植物の光合成などで生物界に戻される。
ところが、「文明分」が加わることで、CO2の収支がゆがむ。
地球を覆うCO2は、もともと「温室」の働きをしている。
増えすぎると、地球を過度に暖めることになる。これが温暖化だ。
大気のCO2濃度は産業革命前より3割以上ふえた。
CO2の収支をなるべく均衡状態に近づけ、
平均気温を1990年に比べて2~3度以内の上昇に抑えなければ、
被害は世界全域に及ぶ。これがIPCCの見立てだ。
CO2は人も口から出しているものだから、
排出してもその周りにただちに害を及ぼすわけではない。
一つの国の一つの工場が出したものが、
地球の大気という大きなプールの中で自然の息に上乗せされ、
徐々に危うさを増していく。
黒煙をもくもく吐いたり、廃水を海や川に垂れ流したりといった、
いわゆる公害とは性格が異なる。
自分の国だけが排出を抑えれば事足れり、というわけにはいかない。
よその国も同調してくれないと、問題は解決しない。
地球規模の視点を持って臨むことが大切だ。
「炭素の夏」という言葉がある。
ノーベル平和賞をIPCCと一緒に受けた
アル・ゴア前米副大統領が受賞講演で口にした。
温暖化を、核戦争が生態系を台無しにする
「核の冬」と同列に置いたのだ。
どちらも地球規模の災いであり、
それを避けるには世界が一つになって立ち向かう必要がある。
《冷戦から「暖戦」》
国際社会が温暖化との戦いに大きく踏み出したのは92年だ。
気候変動枠組み条約が採択され、地球サミットがブラジルで開かれた。
条約は、CO2などの温室効果ガスの
悪影響を食い止めるのが狙いだった。
前年暮れにソ連が崩壊していた。
東西対立の冷戦が、人類対炭素という「暖戦」に移ったのである。
以来、国際社会は脱温暖化の知恵を少しずつ身につけてきた。
一つは、CO2をタダではむやみに出させないという考え方だ。
出せば出すだけ損をする仕掛けをつくって、
排出を抑えようというのである。
具体的には、燃料などにかける環境税や、決められた枠を超えて
出せばよそから余った枠を買うことになる排出量取引がある。
もう一つは、国境を超えて対策を進めようという流れだ。
自分の国で排出量を減らすことと、外国を手伝って
同じ量を削減することを同等に評価しようというのである。
この二つの知恵は、今年から実施に移された
京都議定書でも生かされている。
国同士の排出量取引が盛り込まれた。
先進国が途上国の排出削減に力を貸せば、
減らした分の一部を自国の削減量に組み込めることにもなった。
国同士の排出量取引は、97年に議定書が
採択されたときには評判が良くなかった。
削減の義務化を嫌がる国に対し、「カネで解決」の
余地を残すという意味合いが強かったからだ。
だが最近は、排出を効率よく減らす方法として見直されている。
相手の国がきちんと排出を減らして枠を余らせていれば、
余った枠を買うことで、その国の削減努力を応援したことになる。
相手の国で削減する方が自国で減らすより安くつく場合、
世界全体で見れば効率がいい。
もっとも、最初から排出枠が余っているような場合には、
その取引はカネで解決の逃げ道になってしまう。
制度の設計と運用の仕方がカギになる。
《途上国に支援の手を 》
自分が優等生になるのはもちろん、
友達の勉強も手助けしてクラス全体の成績を上げる。
そんな発想がなくては、「今世紀半ばまでに世界の
温室効果ガス排出を半減」の目標を達成することはできない。
この目標は、去年のG8サミットが
真剣に検討すると申し合わせたものだ。
7月の洞爺湖G8サミットは、いまの京都議定書が12年に終わった後、
どんな枠組みで温室効果ガスを減らしていくかの糸口を探る場になる。
最大の焦点は、いまは途上国の扱いで義務を負っていない中国や
インドなどに排出抑制を促す道を見つけることだ。
脱温暖化は、先進国が国内の産業や暮らしを再設計し、
途上国が温暖化を助長しないようなかたちで
経済発展できるようにする大事業である。
地球規模の視点に立てば、全体の費用は
先進国が多めに引き受けなくてはなるまい。
途上国へ資金や技術を提供する役回りだ。
「炭素の夏」を防いで、次の世代に地球を
引き継ぐことができるかどうか。
今まさに、私たちの世代が試されている。
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以下は、
青山学院大学経済学部教授/熊谷彰矩先生の誌上公開講座です。
非常にわかりやすいお話です。
温暖化の何が問題か、そしてわたしたちはなにをするべきかが
明確に見えてきます。
【地球温暖化を考えるー何が問題かー】
“地球は温暖化している。”“その原因は炭酸ガスである。”
いまでは多くの人々が、否、殆どの人々がそのように信じています。
しかし、それは疑う余地のない事実なのでしょうか。
何が問題なのでしょうか。
過去100年間の地球の気温変化はかなり詳しく分かっていますので、
まずこれに注目してみましょう。
1930年代、当時の英国王立気象学会は地球の気温が
史上最高値を記録したことをもって温暖化が始まったと宣言しました。
ところが、1940年代から60年代にかけて気温が下がり続けると、
今度は科学者たちは一転して地球に氷河期が来ると主張しました。
1972年、ブラウン大学で「現在の間氷期はいつ、
どのようにして終わるのか」というシンポジウムが開かれましたが、
そこでの結論は人間が経験した気候の変化よりはるかに大きな
地球的な寒冷化が2000~3000年、
あるいは数世紀以内に起こることが予想される、というものでした。
それから30年ほど経ちましたが、
また再び地球の温暖化が主張されています。
もっと前に遡ってみましょう。
いまから約6000年ほど前は現在より気温が高く気候最適期と呼ばれて、
サハラ砂漠は緑に覆われていました。
日本も縄文文化が栄え、当時の北海道の気温は
今より2~3℃高かったといわれます。
また、中世の温暖期も現在より高温とされており、
いまは雪に覆われているグリーンランドにバイキングが入植しています。
その後には小氷期といわれる時期が500年ほど続いていました。
そして、19世紀末以降、全球平均地上気温は
0.3~0.6℃上昇したとされています(IPCC)。
このように比較的最近の歴史を見ても、
地球はこれまで何回となく寒暖を繰り返してきているのです。
本当に、再び地球温暖化を断言できるのでしょうか。
産業革命以降、炭酸ガスの排出量は急激に増加しているといわれます。
そしてこの炭酸ガス等の温室効果によって地球の温暖化が
進んでいるとされていますが、その因果関係も決して
それほど単純なものではありません。
有名なハワイ島におけるキーリング博士の
調査結果をグラフにしてみますと、
炭酸ガスの増加の後に気温が上昇しているのではなく、
逆に、気温の上昇の後に炭酸ガスが
増加していることがはっきりと示されます。
これは一般にいわれていることとは正反対のことです。
長い地球史の中でも両者は極めて密接な関係を保ちながら
変化してきたことはすでによく知られていますが、
上の事実からは炭酸ガスの増加が第一義的原因となって
気温が上昇するとは考えにくいでしょう。
そこで、炭酸ガスに注目して、化石燃料の使用により
人為的に排出される量はどの位かをみてみますと、
炭素換算で年間63億tと推計されています。
炭酸ガスがどのようにして温室効果をもたらすのか、
そのメカニズムについては科学的に究明されていますが、
問題の炭素が一体どこへ行くのか、
その行方についてはまだ明らかではありません。
現在の推計では約33億tが大気中に残留するとされていますが、
約23億tは森林に吸収されると考えられています。
植物が炭酸ガスを摂取して光合成によって成長することは
中学生でも知っている事実ですが、
近年アラスカやシベリアの針葉樹は成長がよく、
急速に太っているということです。
次に、地球全体の炭素収支はといいますと、
年間の炭素の移動量は大気圏と海洋の間で1000億t、
大気圏と生物圏との間で1200億t、合計約2200億tといわれます。
これに対して先の化石燃料から排出される炭素は約63億tですから、
人為的に排出される炭素の量は巨大な大自然の収支の
2~3%に過ぎないということになります。
この数字をどう見るべきかは難しいところですが、
この程度であるということはよく理解しておくことが必要です。
このように地球温暖化については、現在もまだ科学的に
はっきりしないことが多く残されているのですが、
いま私たちはこの温室効果ガスを2012年までに、
1990年比6%(99年比では21%)削滅しようとしているのです。
それでは、事実が明らかになるまで待つべきでしょうか。
決してそうではありません。これまで私たちが学んだ経済学は
専ら人間活動の生産と消費が研究の対象でした。
しかし、現在、大量生産、大量消費、大量廃棄という現実を前にして
the other side of coin としての環境に目を向けざるを得なくなりました。
いまや“環境”を抜きにして経済学を論ずることはできなくなったのです。
そして環境を流れる資源の大きなフローに着目するとき、
「熱力学の法則」が支配する冷厳な事実に注目することが必要となりました。
すなわち、取り入れる資源の量と廃棄される廃物の量とは
常に等しく(第1法則)、
また、資源を使って活動すると必ず廃棄物や廃熱が
発生して増大していく(第2法則)という極めて単純な事実です。
後者はとくに「エントロピー増大の法則」として有名なもので、
環境問題を解く重要なキーワードとなるべきものです。
私たちは、資源の利用には量的にも質的にも明らかに限界がある、という
このむしろ常識的な事実をしっかりと認識しておくことが不可欠です。
ところで、世界人口は19世紀末には僅か16億でしたが、
20世紀末に遂に61億を突破しました。
そして21世紀末にはその数は100億近く(2050年で93億)にも
達するといわれています。
これは地球温暖化の予測値よりもはるかに確実で、
且つ深刻なものです。
現在の1.6倍もの人口によって消費されるであろう
全世界の資源・エネルギーはどれほどになるでしょうか。
人口増に加えて生活水準も向上していますから、
その需要量は膨大なものとなるでしょう。
だからこそ、炭酸ガスが急増して地球の温暖化が進むのかもしれませんが、
恐らくその前に多くの資源(含む食糧、水、エネルギー等)は枯渇し、
地球環境はエントロピーの増大によって
想像し難い状況に陥ることになるでしょう。
地球上にはいまもなお飢えに苦しむ
約8億もの人口が現実に存在しています(FAO)。
その上にさらに40億近い人口が増大するというのです。
いまこのような状況を前にして、地球温暖化の元凶とされる
炭酸ガス等の削減という個別的で、しかも依然として多くの不確実性が
残されている問題を論ずるよりも、
先ず私たちは、すべての資源について徹底した
省資源・省エネルギーを進める必要があること、
を強く主張すべきではないでしょうか。
1937年東京に生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。
(株)三和銀行、青山学院女子短期大学助教授を経て、
1988年より青山学院大学経済学部教授。
環境経済学、経済政策論等担当、排出権市場、マクロ経済政策他の研究。
日本経済政策学会(本部幹事・理事)、環境経済・政策学会、廃棄物学会、
日本経済学会、日本地域学会、応用地域学会、
日本計画行政学会、国際公共経済学会各会員。
おそらく 地球本来の力は それらの関係を 安定させる能力があるのでしょうけど 人間の活動によって 安定制御が出来なくなっているのでしょうか?
また、一説によると 地球は 一定周期で 冷暖を繰り返していて 現在は 温暖化周期に過渡期だと唱える方もいらっしゃいます。
大きな意味で 人類が地球に与える影響も自然の一部なんでしょうか?
色々と考えさせられる記事でした。
自然科学の研究はとてもはばがひろい!
その科学者の方々にも、いろいろな考えを持つ人がいるってことなんでしょうね。
いまや、温暖化問題に疑問符をつけることは、非国民呼ばわりされます。
そういう風潮のほうがこわい!
少数意見を抹殺してしまう国や大企業に、民主主義はありません。
お空からの写真、いつも楽しみにしています。