昨日夕方
プイと家を出た
出たところで
行くとこなんてありゃしない
当てもなく
堤防の道を
突き当たりまで行ったりして
帰りたくない時間を
ぐるぐる過ごした
今朝ふと思った
墓が有るじゃないか
そうだった
自分の墓を建てて
ドライヴがてらに墓に遊びに行く
それが夢で建てたんだった
仕事を終えて真っ直ぐ
霊園へ行った
良い天気だった
風も陽射しも柔らかく
お墓の横の小さな花壇で
白い蝶々が三匹
ひらひらと
高く低く舞いながら
花に留まったりしていた
とても丁寧にお掃除をしているおじさんが居て
私も真似て
いつになく綺麗に墓石を拭いた
魂が休まる場所は
穏やかで
静かで
尖った私の心も
丸く柔らかく
ほどけていく
霊園が居心地が良いのは
何より心丈夫
やがて私も
千の風になって
吹き渡る