自分が一番小さかった頃の写真は1枚しかない。 処分したのではなく後にも先にもたった1枚だけ、それも6歳か7歳くらいの物かなと思う。 どんな事情があって揃ったのか分らないけれど、母の姉妹達と写真屋で撮った1枚だ。 左胸にバレリーナの刺繍がしてあるセーターを着ている、気に入っていたセーターだと記憶がある、確か赤いセーターだ。 おかっぱ頭で、丸のような四角のような顔をして、前歯2本が大きくて、嬉しかったのだろうか笑っている子供の自分が可愛いと思う。 可哀想な子供だったからいじらしくて可愛い。 ここまで生きてきたのに生きて暮らしていた実感がない時期があり、他人事の様にも思えてすごく不思議な感じがある。