朝焼けを見るために

神様からの贈り物。一瞬の時。

築き上げてきたもの

2010-09-12 22:03:04 | 徒然に
短大をおりた年の初夏、父の勧めでお見合いをした。
父と母をみて育ち、外の風に当たることもなくそのまま一年半の婚約期間をすごして結婚した。

ハネムーンベィビィのはずだった最初の子は、未熟な私が親になることを拒んだのか悲しいことに気付いた時には虹の橋を渡っていた。
その直後、上の娘を神様が与えてくれた。
大事に大事に、多くのことを望まずに大切に育てようと誓った。

亭主が自分で仕事をはじめ、そして同時に下の娘をまた神様から預かった。

親になり、子供を育てながら、親として人としてたくさんのことを勉強させられていく。


順風満帆だったわけではない。


所詮、全く違う環境でそだってきた他人同士が暮らし始めて行くのだから。

それでもなんとか、たがいを許しながら少しずつ少しずづ積み重ねて築いてきた。


許せなかったことが許せるようになり、
許せていたことが、許せなくなりながら。

それでも、自分で築いてきたものは大切にしようと抱きかかえている。


音をたてて割れてしまった皿を拾い集めて、もとの形にもどす。
継ぎはぎだらけの皿は、どうにかそのうえに盛られたものをこぼすこともなく。

でも、継いだところはやはりもろく、何度も何度もはがれていく。
そのたびにまた拾いそしてもとに形にもどそうとする。


自分で作ってきたものは、自分で壊すことはないと。
壊れるときには、自分で壊さなくとも、自然に割れてしまうのだから。



形は同じように見えても、やはり入ってしまった傷やヒビはその跡をかくしきれるものではない。


もろくなればなるほどに、そっとそっと扱う。
少しでも乱暴に扱えば、あっという間にその形はなくなってしまう。



土を捏ね、形をつくり、ひとつのものとする。

赤の他人が、ひとつ屋根の下に暮らし始め、寄り添い労りながら自分の家族というものを作り上げていく。





簡単で、難しいこと。

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