朝焼けを見るために

神様からの贈り物。一瞬の時。

疼き、呟き、焦がれ、そしてまた

2007-01-09 18:26:56 | 読書、映画、音楽
『光琳の櫛』  芝木好子


惚れたとか恋をしたとかは昔のことで、今の彼女の心の抽出にはない。男の尺度は頼れることから始まるのだった。それでいて尽くすことには身に備っていて、好きだった。尽くすことは、愛されることと一つになる。限りなく尽くすことでどこまでも女になる。尽くすことは自分が美しくなれることでもあって、優しく愛らしく自由になって男の中に没してゆく。そういう生きようが彼女には自然であった。


情をたたえた目で男を思った。思うことで心が潤ってくるとき、女であることの幸せを味わった。


その後の人生で心に誓ったことがある。きらいな男にだけはつくまい。甘いぜいたくを望んで、いやな男になどつくまい。「雪園」をもって働くと、真実たのしかった。客がくれば、客に尽くす。尽くすことは相手によって生きることであった。




あぁ、いけない。あぁ・・・たった200ページほどの小説を読むのに、何を手間取ったのだろう。
まして、舞台は始終興味をそそられ、勉強心を掻き立てられるというのに。
女の生き方を自分にのせる。

つまらない生き方をしたくない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿