木の上に棲む猫は、時間の割れ目を探す。
入り込むことができるのは、迷う込むことを恐れないものだけ。
小さな石ころに、つまずくことばかり。
石ころをけりながら、道を歩くことを忘れた。
砂利道の中では、どれが自分の石ころなのかを、
判別するころすら不可能で、
見失った石ころを、日が暮れるまで探す。
真っ暗な夜道に、ふと顔を上げれば、
小さな台所の灯が、ぽつりぽつりと灯りだす。
軒下に入り込む野良猫に、帰りそびれた時間だけを探す。
静かな日差しを思い出し、
上着の襟を立てながら、
灯るネオンの合い間を、
足早に通りすぎようと思うのは、
一人で膝を抱えなくてはならない小さな部屋を思いだすから。
弾き飛ばされた石ころは、
更に小さく砕けてしまったのかも知れない。
コンクリの側溝の間に、
その姿を消したのかもしれない。
他の躓いた石ころを、
蹴りだせばいいものを・・・
躓き続ける石ころは、
拾い上げて、手の中に転がす。
ひとつ、二つと手の中で転がす。
小さな石ころは、その冷たさを体温に変え、
含む手のぬくもりよりも、その小さな礫のほうが、
熱を蓄え始める。
手の中の石ころと、
蹴り飛ばす石ころと、
何を違いに、時間の割れ目を探すのか。
木の上に棲む猫は、姿を現すことはない。
入り込むことができるのは、迷う込むことを恐れないものだけ。
小さな石ころに、つまずくことばかり。
石ころをけりながら、道を歩くことを忘れた。
砂利道の中では、どれが自分の石ころなのかを、
判別するころすら不可能で、
見失った石ころを、日が暮れるまで探す。
真っ暗な夜道に、ふと顔を上げれば、
小さな台所の灯が、ぽつりぽつりと灯りだす。
軒下に入り込む野良猫に、帰りそびれた時間だけを探す。
静かな日差しを思い出し、
上着の襟を立てながら、
灯るネオンの合い間を、
足早に通りすぎようと思うのは、
一人で膝を抱えなくてはならない小さな部屋を思いだすから。
弾き飛ばされた石ころは、
更に小さく砕けてしまったのかも知れない。
コンクリの側溝の間に、
その姿を消したのかもしれない。
他の躓いた石ころを、
蹴りだせばいいものを・・・
躓き続ける石ころは、
拾い上げて、手の中に転がす。
ひとつ、二つと手の中で転がす。
小さな石ころは、その冷たさを体温に変え、
含む手のぬくもりよりも、その小さな礫のほうが、
熱を蓄え始める。
手の中の石ころと、
蹴り飛ばす石ころと、
何を違いに、時間の割れ目を探すのか。
木の上に棲む猫は、姿を現すことはない。
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