朝焼けを見るために

神様からの贈り物。一瞬の時。

西の窓から

2006-12-22 18:06:18 | 徒然に
子供のころ、夕焼けを見るのがとっても好きだった。
西の空が茜色に染まり、それが闇の中に溶け込んでいくまでの時間が好きだった。
絵の具を溶かして、色が混ざりあうように、茜色が沈んでいく。

西の空に彩が入り始めると、それをずっと見ていたくて、学習塾から走って帰った。
工場の二階の倉庫に上がりこみ、西向きの窓を開ける。さえぎるものがない景色の中、積まれたダンボールの間に座り、その彩が消えるまで、ただ西の空を眺め続けた。


それは、誰にも言わない、私だけの秘密。

塾から一緒に帰る友達も、どうして私が走って帰るのか知らなかった。



事務所からの帰り、サイドミラーに写り込む西の空を茜色に染める夕日に、みとれて信号待ちの発進が遅れた。


後続車のクラクションで、我に返る。
幼かった日の一こまを思い出した。

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2 コメント

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懐かしい気持ちに・・・ (ともたん)
2006-12-22 23:16:48
なりました。自分だけの秘密って、子どもの頃、結構あったような気がします。
それを友達に言ってしまうと、なくなってしまいそうで、それでいて、笑われるのが恥ずかしくて、なかなか素直に自分の感じていることを口にだせなかったりして。

私は、この時期に見えるオリオン座が大好きで(基本的に☆全般好きなのですが)、学校からの帰り道、空を見上げるのが癖になっていました。ボーっと歩きすぎて、ふらふら怪しかったかも(苦笑)
後、だんだん白くなっていく富士山を、朝必ずベランダに出て、チェックしたりね(笑)
親は気が付いていたのかなぁ。
とても懐かしいです。
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大好き (るな)
2006-12-23 02:17:33
私も、冬の夜空の星は大好き。子供達が小さな時は、よく外に出て、星座を見ました。

今でも、夜空を見上げながら暮らしてます。時折、北の空に流れ星にみつけ、願い事を、慌てて呟きながら。
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