
デッサンという単語を国語辞典で引くと「フランス語dessin―スケッチなどの下絵、素描。作品などの基礎。」とあります。
この作品はアカデミックなデッサンでありながら、質感や構図の勉強だけでは終わらせない、存在を力強く訴える魂を感じ、木炭デッサンが一枚の絵画としての“木炭画”にまで昇華されたように感じます。
長濱さんは柳の木の棒(炭)だけ使用していますが、木炭紙の表面だけにざらつくように荒々しく木炭をのせたり、手のひら全体でこすりつけしっとりさせたり、モチーフの質感にあわせて幅広くテクニックを使い分けて描いています。
長い期間木炭だけにこだわり、制作を重ねる長濱さんのストイックな姿勢が、いい形になって現れてきました。
このつかみかけた感覚を大切に、さらなるステップアップに繋げていって頂きたいと思います。
絵を描くというより塑像を製作するように、肉付けしたり、そぎ落としたりができる木炭。
描いたら二度と消えず、木が太くて細かい部分がちっとも上手く描けない木炭。
一筋縄では使いこなせず、思い通りにいかぬ歯がゆさが面白い木炭。
私も木炭で個展を開いていた時期もあり、この素材への愛着は強いので、興味のある方はオバラまでご相談ください!
ぜひ一度はチャレンジして欲しい素材です。