
小学生クラスも順調に日本画が進んでいます。火曜日クラスは下地の塗りが終ったので、来週からはいよいよ絵を入れて塗っていきます♪どんどん描いていきますよ~!
ちょっと今日は私の思い出話ですが、人生で一番感動した絵が日本画です。東山魁夷が唐招提寺の襖に描いた「濤声」と言う題名の、波の絵です。本来ならお寺の障壁画として決められた場所にあるべきものですが、唐招提寺が平成の大修理中ということもあって上野の東京国立博物館で行われた唐招提寺展で観ました。この「濤声」の他にも「山雲」「揚州薫風」などいくつかの絵があります。どれも鑑真和上のために描かれたもので、東山魁夷はこの一連の絵を描くために10数年をかけ、日本各地を回り写生を繰り返したそうです。
何に感動したと言うか、絵を観ながら初めて音が聴こえました。描かれているのは激しくもなく、そこまで風の激しくもない、ごくありふれたある日の寄せて返す波の姿なのですが、在るがまま、ただ生きている波が描かれており、遠くからその繰り返しの音、波が静かに迫ってくる時の音が聴こえてきました。とにかく絵の力が圧倒的で、かなり長い時間絵の前動けず、動けるようになってからも行ったり来たりしながらずっとその絵ばかり見ていました。今でも思い出しただけで涙が出る絵です。
絶対に実物を観て頂きたい!のですが、奈良はすぐに行ける場所でもないので一応画像を・・・見にくいのはわざとです(笑) 実物を観ないと意味がないのでここの画像のクオリティはどうでもいいのです!「美しい」と言うのはこういう日本画ではなくすごく暗い絵でも、グロテスクに見えるものでも、その絵一つがすごく完成されたものすべてに使える言葉ですが、絵を描くなら、ものをつくるなら、ひとつでもただ在るだけで力を放つ作品を作ってみたいです。
皆さんも、そういう作品はありますか?他の人のそういうお話、聞いてみたいですね。