モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

壊して正解

2010-11-29 06:11:00 | スタッフ講師
20101129

上橋 「海の底」 水彩

どうも幸介です!!本日は大人クラスより上橋さんの作品をご紹介いたします!!展覧会にも水彩の作品を出品され、水彩画講座後の10月11月もずっと水彩を描いてきている上橋さん。いつも細かい描写で描かれていて、1枚の作品の中に筆も色彩も凄い量の仕事量を詰め込むのがスタイルです。実際それが長所でもありますが、水彩画講座で「短時間でサラっと雰囲気良さげに描く」という、今までの上橋さんとは真逆の制作方法に魅せられて、「描き込まないで雰囲気でやってみたい」との挑戦で制作した今作。実際に自身がダイビングした際に撮った写真をモチーフに描かれました。本当なら魚のウロコや珊瑚など細かく描いてしまいたい!!という気持ちが制作中もひしひしと伝わってきましたが、そこを抑えて静かで透き通った空気の作品に仕上がりました。魚の頭から尾にかけてフェードアウトするような滲みが見事です!

しかし今作、紆余曲折ありまして、授業を重ねるうちについつい細密描写をして描き込んでしまうこと数回。それを見た小原先生が「一回ぶっ壊してみましょう!!」と魔の提案をし、さらに「壊すんだったら写真も見ないでやりましょう」ということになり、せっかく描き込んだ描写の上から大胆に着彩することとなりました。しかし今回はそれが本当に良かった!!壊れたものが再生する経過で生まれる美ですね。現物の作品をお見せ出来ないのが残念ですが、今までの上橋さんの作品の中でも立体感に合わせてここまで「生命臭さ」が出たのはこの作品が一番じゃないかと思います。

もともと人工物よりも自然物の描写を得意としているようですので、今後もこの「ぶっ壊し制作」で、生々しい生命を描いていただきたいと思います!!

田中幸介

コメント
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