
土曜日に顔を出す男、岩田です。今回は水曜クラスで頑張っていらっしゃる矢作さんの描かれた油彩です。
前回ご紹介したのはこちらの狼でしたが、今回は打って変わって静物です。
それにしても実にパワフルな絵ですね!
こちらの作品、最初は広告写真を見ながら全体的に描き始めましたが、リアリティを増す為に、「今日はパンの細部を描く」「今日はカボチャ」というように毎回食材を買って来て、ちゃんと本物を見て描きました。
それだけに一つ一つのモチーフから何とも言えないリアリティーがにじみ出ています。ザルから溢れんばかりの食材達が皆本当に活き活きしていますね。
パンのごつごつ感、じゃがいもの表面のマットな感じ、それぞれのモチーフから受けるイメージを実に素直に絵にされていらっしゃいます。
しかも「私もう歳だから2時間は持たないわー」と言いながらも、3ヶ月以上掛けてじっくり仕上げていらっしゃるのです。
絵を描くのに年なんて関係ありませんね。むしろ子供たちにも伸び伸びとして描かれた矢作さんの絵を見て欲しいですね!
筆の扱いもとてもダイナミックでかっこよいです。下地に大胆なピンクをしっかり塗りこんで、背景の青を鮮やかに引き立てています。立体的なマチエールがこの絵の力強さを演出しています。
何といってもそういったわざとらしくないところが素晴らしいんですね。テクニックで絵を描くのではなく、描くことをただただ楽しんでいらっしゃるという感じが伝わって来るようです。
この絵は、一足早い「秋の収穫祭」といったイメージを抱かせます。私はこの絵を見てすごく元気を貰いました。大変おおらかで、作者の心の豊かさが画面から伝わってくるような力作を見せて貰いました!
最後に、矢作さんて風景画を描いたらどんな絵になるんだろう。そんなことをふと思う僕がいました。