
夏休みも終わり、夜は涼しくなり、一つづつ夏の終わりを感じさせられる毎日ですね。
本日は、水曜午前大人クラスより野中さんの油絵をご紹介します。
黒人のジャズピアノ奏者を描いた今作では、野中さんの表現したいものが更に確固たるものとして表れたと感じます。何ともパワフルで迫力のある、見るものを惹きつける力に満ち満ちています。
何と言っても格好いい!今にも音楽が聞こえてきそうなほどに熱気が伝わってきますよね。白いシャツと肌の色がお互いを、より美しく引き立て合っています。一番見せたい腕の描写も、白いシャツが目を引き力強い腕に誘導しているのが見事です。表情も苦心されただけある、ジャズのセッション中の気迫が目元口元から伝わります。
背景の赤茶から黒へのグラデーションも濃密な空間を演出しています。あえてピアノは鍵盤のみを描き細部を省略したことも勝因ですね!元々白黒の写真を見て描いた今作ですが、色味を抑えることでそれぞれの色のもつ美しさが表現されています。
長く水彩を描いてきて、アクリルに挑戦し油彩へという道を辿られた野中さんですが、この色を求めていた!とご自身でもおっしゃるとおり、とても向いている正に求めていた画材なのだと思います。中々出せない色やタッチを感覚でも捕まえているように感じます。
それにしても、いやはや堂に入った作品、感嘆してしまいます! 筆を走らせる楽しさと喜び、情熱が伝わってきて見ているだけでもワクワクと嬉しいものです! 庄司でした。