鈴木.Y 油彩 左は新作 / 右は2007年10月制作
大竹です。今回ご紹介させて頂くのはチケットでミオスに20年以上通われている鈴木さんの作品です。左は最新作、右はなんと14年前の作品だそうです。両作品ともに居るワンコは鈴木さんの愛犬メルルちゃん。右のピンクのおくるみからひょっこり顔を出しているメルルちゃんは恐らくまだ子犬の頃なのでしょう。
14年前の作品と比べますと、当時は筆をキャンバスに撫でて絵具をこすりつけるしか技法を知りませんでしたが、今は補色の下塗りを効果的に使い、ナイフを多用し、マチエールを活かした画面作りができるようになりました。写真同士を組み合わせているので合成したような違和感もありますが、インパクト重視な見ごたえのある作品になっていると思います。何より、鈴木さんの色選びはとても面白いですね!過去の作品からも既に独特の雰囲気が感じられますが、現在の作品はより自信に満ちた堂々とした色使いとなっています。メルルちゃんは本来黒色なのでしょうが、そこを緑や青色を使用して表現している部分や、象の頭や耳の模様の様な色と筆使いも魅力的です。光が当たっている部分は様々な色を使用して陰影を表現しているのに対して、影の部分はベッタリと暗く塗っている大胆さも良いですね。背景の緑や象の鼻の部分も絵の具をのせた後に少し削っているのでしょうか?凹凸によって象の鼻がよりドーンと前に出てきている様に見えますね!そんな象を見上げている舌をぺろりと出したメルルちゃんの表情もまた可愛らしいです。
20年以上通われているとなりますと、私がまだ保育園か低学年のちびっ子だった頃から絵を描き続けていらっしゃるという事ですね…凄いです!人ひとりが成人するまでの年月だと思うと途方もない様に思えますが、楽しんで描いていると時間はあっという間。このブログを読まれている方も、楽しく描いているうちにあっという間に1年、5年、10年…となっていた方も少なくないのではないでしょうか?